スパークリングワインを保存するには?未開栓と開栓後の保存方法を解説
スパークリングワインを開栓後、残ってしまった場合はどのように保存すればよいのでしょうか。スパークリングワインの保存には、ワインの風味と微炭酸を逃さない工夫と注意が必要です。
ここでは、ワインを保存する際のポイントと開栓前・開栓後それぞれの保存方法を解説していきます。めやすの保存期限や炭酸が抜けた後でもワインを楽しむ方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
目次
スパークリングワインを保存する際のポイント
炭酸を特徴とするスパークリングワインを適切に保存するためには、いくつかポイントがあります。
ここでは、ボトルの置き方から、品質を保つための適切な温度・湿度の場所について解説します。
ボトルの置き方
スパークリングワインは、購入から開栓までの期間が短期間(おおよそ2年以内)であれば縦置きがおすすめです。コルクがワインに触れないためガスが抜けづらく、フレッシュな状態を保てます。反対に、熟成など長期間の保存を目的とするケースではワインの酸化を抑えられる横置きがおすすめです。
開栓後は、ガスが抜けにくくすることが大切です。ワインがコルクや空気になるべく触れないように縦置きで保存しましょう。
適切な温度・湿度の場所で保存する
ワイン全般は、熱や空気に弱いという特徴があります。熱や空気に触れると、酸化して味が劣化するだけでなく、スパークリングワインの場合は炭酸が抜けて苦味や酸味のみが残ってしまうこともあります。
開栓する前は、10〜15度に温度を保ち、40〜70%の湿度がある場所で保管しましょう。開栓した後は冷蔵庫など暗所・冷所で保管がおすすめです。
なお、稀に乾燥しやすい場所で保管すると、コルクが収縮し隙間から空気を通しやすくなることがあります。よって、開栓後はできるだけ湿度を70%以上に保つことも重要です。
直接光が当たらないようにする
ワイン全般は光に弱く、日光に長時間当たってしまうと日光臭という独特の風味が加わり、質感が一気に変化してしまいます。ワインの繊細な味わいを損なうことがあるので、光が当たる場所での保存はよくないとされています。
また直射日光だけでなく、照明の光もワインを変質させる原因です。なるべく光が当たらないよう、できるだけ暗所に保存しましょう。
振動が起こらないようにする
スパークリングワインは振動が伝わる場所で保管すると、風味や繊細な味わいが損なわれる可能性があります。
持ち運びの際の振動だけでなく、冷蔵庫のドアポケットなどの頻繁に振動する場所もスパークリングワインには大きな影響になります。なるべく振動が起きない場所で保存するのがおすすめです。
またスパークリングワインは炭酸を含みます。そのため振動が加わりすぎると、液体から炭酸ガスが外に出ようとする力が強く働くため、開栓時に吹き出したり最悪のケースではボトルが破裂したりする恐れもあるので注意しましょう。
臭いの強いものと一緒に保存しない
臭いの強いものを近くに長時間置かないことも大切です。スパークリングワインだけでなくワイン全般に言えることですが、冷蔵庫内の同じエリアや、冷所でも隣に置いてある食材に強烈なにおいがある場合は、距離を保ちましょう。
一緒に保存しておくと、ボトルやラベル、コルクなどに臭いがうつり、ワインの味を邪魔してしまう可能性があります。
冷蔵庫の中であれば、ニラやキムチなどの臭いが充満しているスペースは避けましょう。また台所の下や床下などの暗所でも、ぬか漬けや排水溝の臭いはボトルを通してワインの味に影響するため、同じ空間に置かないようにします。
スパークリングワインの保存方法
スパークリングワインを保存する際のポイントを踏まえると、スパークリングワインはワインセラーや冷暗所で保存するのがおすすめです。それぞれを詳しく見ていきましょう。
ワインセラーで保存
ワインをできるだけ長く良質に保つには、ワインセラーでの保管をおすすめします。特に開栓前のワインは、適切な温度で光に当てずに保管し、湿度の面でもコルクを乾燥させないことが重要です。温度やワインの変質を防ぐために、条件を満たしてくれるのがワインセラーでの保存です。
ワインを熱から守るだけでなく、冬場の寒い時期でも10〜12度の適温で暗所保存をキープしてくれます。ボトルを横向きに収納するスペースもあるため、ワインにとって最適な環境です。
最近はさまざまな大きさのワインセラーがあるので、自宅でワインを楽しむ機会が多い人は検討してみてはいかがでしょうか。
ワインセラーがないときは冷暗所がおすすめ
ワインを飲む機会が少ない、ワインセラーを置く場所がないなど、自宅にワインセラーがない場合は、冷暗所で保存します。
例えば押入れや収納庫の中、床下収納などが挙げられます。冷暗所が見当たらない場合、冷蔵庫での保存がおすすめです。冷蔵庫に保存する時は温度が低くなりすぎない野菜室が適切です。
開栓後のスパークリングワインの保存方法
キャップ型であれば問題ありませんが、コルク型の場合は一度抜栓するともとに戻すことはできません。
ここではスパークリングストッパーなどの専用アイテムを活用したり、ラップやペットボトルを使ったりする方法を紹介します。
スパークリングストッパーを使って保存
スパークリングストッパー(シャンパンストッパー)は、スパークリングワインの炭酸が抜けるのを防ぐための道具です。圧力をかけて保存しておくことができ、炭酸が抜けにくいのでおすすめです。
スパークリングストッパーは、ホームセンターや酒屋、ネットでも販売されており1,000円前後で購入できます。1つもっているだけで便利なアイテムとして重宝します。残ったワインの量にもよりますが、2、3日は炭酸と風味を保つことができるでしょう。
ラップを使って保存
ストッパーがない場合、代用品として活躍するのがキッチンラップと輪ゴムです。ボトルの口をラップで包み、輪ゴムで数回きつく巻いておきましょう。
キッチンラップを二重に、輪ゴムを数本使うとより効果があります。その場しのぎの簡易的な保存方法ですが、炭酸抜けとワインの変質を遅めてくれます。
ただし、シャンパンストッパーのように炭酸ガスが急速に抜けていくことを防ぐ効果はほぼありません。当日中か遅くとも翌日には飲み切ることをおすすめします。あくまでシャンパンストッパーがないときの応急処置と覚えておきましょう。
スパークリングワインの保存期間の目安
スパークリングワインに賞味期限の記載はありません。というのも、食品表示法では酒類に賞味期限の表示義務がないためです。
ただし、スパークリングワインの場合はガスが抜けたり、コルクの腐食が起こる可能性を考えフレッシュな状態で楽しむ場合は開栓前は1~2年以内に飲むようにしましょう。開栓した後は1〜2日程度が目安です。
スパークリングワインの炭酸が抜けてしまったら?
余ったスパークリングワインの炭酸が抜けてしまったからといって、捨ててしまうのはもったいないです。炭酸が抜けてしまっても腐ってしまったわけではありません。
白ワインとして飲む、ほかの飲料とかけ合わせてカクテルにして飲む、料理に使うといった方法があります。
シャンパンを白ワインとして飲むことに疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし、シャンパンを長期熟成させ、あえて炭酸(ガス)を抜いてスティルワインに戻した熟成シャンパンが存在します。通常のスティルワインでは味わえない美味しさがあるので、炭酸が抜けてしまったシャンパンを白ワインとして飲んでも十分に楽めます。
また、料理に使用すると、肉や魚などの臭みを和らげたり、食材を柔らかくしたりすることができます。洋食にはもちろん、味にクセがないスパークリングワインであれば、和食にも使ってみるのもおすすめです。
まとめ
ほかのお酒と比較すると、ワインは繊細なイメージがあります。たしかにビールや焼酎と比較すると、味を損なわないために厳重な注意と工夫が必要ですが、専用アイテムやワインの特徴をおさえた保存方法を実践するだけで、味をキープしながら飲み頃を待つという楽しみ方もあるでしょう。
また、飲み残しても炭酸の残り具合をみてアレンジする方法もあることを知っていると開栓時も安心です。本記事で紹介した保存方法を活用して、長く美味しくスパークリングワインを楽しんでみてください。