Categoryカテゴリー

ワイン

【ソムリエが選ぶ】価格帯別の高級赤ワインおすすめ17選!

2023.09.30

高級赤ワインと聞いて、どのようなものを想像されるでしょうか。数千円のものから100万円を超えるものまで、高級赤ワインといわれる商品の価格幅は広いものです。

この記事では、高級赤ワインの価格と高額になる要因、選び方について解説します。おすすめの赤ワインも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

赤ワインはいくらから高級なの?

Pouring red wine

高級赤ワインには、とくに決められた定義はありません。一般的には、1本5,000円くらいから高級ワインと呼ばれます。しかし、高級ワインの捉え方は人によって異なるため、一概にこれと決めるのは困難です。

たとえば、日常飲まれるワインであれば3,000円くらいから高級ワインとされます。格付けや評価の高いものに限定するならば、30,000円を超えるものとなるでしょう。古いヴィンテージや世界的に著名なワイナリーのワインなら、条件によって100万円を超えるものも実際にあります。

また、価格が高いからといっておいしく感じられるとは限らないのも事実です。古いワインでかなり高価格のものがありますが、品質が保持できているかどうかは、開けてみるまでわかりません。「味わいがよいワインが高級ワインである」と考える人にとっては、味があわなれば高額でも高級ワインの基準からは外れてしまいます。

高級ワインを定義づけるのは、たいへん難しいものです。しかし、飲まれる人が高級だと感じられるものであれば、それを高級ワインと判断しても問題ないでしょう。

高級赤ワインが生まれる理由

Red wine and glass on background

高級赤ワインと判断される基準として、判断しやすい基準は価格です。では、なぜ他の赤ワインとの価格差が生まれるのでしょうか。考えられる要因は、次の3点です。

  • ブランド力が高いから
  • 希少価値が高いから
  • 高品質だから

それぞれについて、詳しく見ていきます。

ブランド力が高いから

ブランド力の高い赤ワインは、一般的に価格が高くなる傾向です。

「ワイン・アドヴォケイト」「ワイン・スペクテイター」など、世界的に著名なワイン専門誌で高評価をつけられると、一気に市場価格が上がります。また、高級ワインとして知名度を得た後も、高評価が毎年続くと価格がどんどん高騰します。
もちろん、ワインの品質がよいので高評価となるのですが、それだけでは知名度や価格が上がりません。コンクールへの出品や広告など、ワイナリーのマーケティングによって、ワインのブランディングに成功して高級ワインとして扱われることもおおいにあります。

希少価値が高いから

希少価値の高さも、高級赤ワインの条件の1つです。

高級ワインは高品質を目指して造られるため、限られた本数しか生産しないこともよく見られます。限られた畑のブドウしか使わないワインでは、畑の広さが生産量の少なさに直結します。また、ブドウの品質が基準に満たない場合は、醸造自体を取りやめることも珍しくありません。

また、生産から年数が経ち現存するワインの少ないものも、価格が高くなる傾向となります。市場での需要を下回る数しか確保できないワインは、高級ワインとして価格が高くなるのは必然です。実際に海外のオークションでは、1本数千万円の価格がつくこともあります。

気をつけなければならないのは、希少価値の高さとワインの品質が必ずしもイコールではないところです。あまりにも古いものは、どちらかといえば飲むよりもコレクション目的とされることが多いです。

希少性は高級ワインの指針となりますが、古酒の場合は品質劣化に注意しましょう。

高品質だから

品質の高さは、高級ワインの証しといえます。

たとえば、同じ地域で同じブドウを使ってワインを醸造しても、高級ワインとそうでないものの品質に差が出ます。高級ワインを造るワイナリーでは、同じブドウでも醸造に手間を惜しみません。そのため、造られるワインは高品質となる反面、商品の価格は高くなります。

畑の土壌やブドウの品質、醸造技術の向上や設備投資など、すべてをよい状態でキープするにはコストがかかるのは必然です。高級ワインを造るには手間がかかり、価格に見合った品質を生み出すにはそれなりのコストがかかるものと理解しておきましょう。

高級な赤ワインを選ぶ際のポイント

高級赤ワインを選ぶ際、どれを選べばよいか迷うことも多いのではないでしょうか。その場合は、次のポイントに注目して選ぶのがおすすめです。

銘柄・年代を指定して選ぶ

名前を知っている銘柄や、出来のよいヴィンテージから選ぶのも1つの方法です。

知名度の高い銘柄のワインは、品質が一定以上のレベルで安定しています。とくに高級ワインとして知られるものは、その傾向が顕著です。特定の銘柄から選ぶのが難しい場合は、国や地域から選ぶのもよいでしょう。

ヴィンテージから選ぶ場合は、ワインの専門誌や取り扱い業者が作成する「ヴィンテージチャート」を参考にするのがおすすめです。出来のよい年の赤ワインはタンニンやエキス分が強いため、新しいものは角が立っていて飲みにくいケースがあります。

チャートを参考にして、飲み頃になった年代のワインを選ぶと、まろやかで飲みやすいワインに出会える可能性が高まります。プレゼントで送る場合は、相手人にとって思い出や記念になる年のものを選ぶと喜ばれるでしょう。

予算の範囲内で選ぶ

あらかじめ予算を決めておき、その範囲内で選ぶのもおすすめです。

たとえば予算を30,000円とした場合、1本で予算を使い切る、予算内で数本選ぶといった方法があります。30,000円で有名銘柄のワインを選ぶのも素敵ですし、10,000円でタイプの異なるワインを3本選ぶのも面白いものです。プレゼントとして2本セットで送るなら、赤ワインと白ワインをセットするのもよい方法です。

金額の上限を決めておいて、飲むときのシチュエーションを考えてワインを選ぶと、ワイン選びがより楽しくなります。

信頼できる店員に選んでもらう

ワインの選び方がよくわからない場合は、予算と好みをショップ店員に伝えて選んでもらう、懇意にしている飲食店のソムリエに聞くなどの方法がおすすめです。

高級赤ワインは、ある程度熟成していないと飲みにくいケースがあります。ショップ店員やソムリエに聞くことで、飲み頃のヴィンテージのワインを選んでもらえます。若いワインを飲みたい場合は、デキャンタージュ(タンニン分の強いワインを空気に触れさせてまろやかにする方法)のやり方を聞いてみるとよいでしょう。

また、生産年から20年以上経つ古酒を選びたい場合は、ワインを数多く取り扱っているショップで購入するのがおすすめです。また、ワインセラーのあるショップであれば、適切に保管されている可能性が高くなるでしょう。

ソムリエ厳選!価格帯別おすすめの高級赤ワイン17選

Cropped image of confident male sommelier examining wine while smelling it and leaning at the wooden table with wine shelf in the background

ここからは、価格帯別のおすすめ高級赤ワインを紹介していきます。

5,000円までの高級赤ワイン

5,000円までの赤ワインは、普段より少しぜいたくをしたい日に飲むシチュエーションにおすすめです。また、ちょっとした手土産としても喜ばれます。

スラムダンク 2020

「マイケル・ジョーダンのスラムダンクみたいな凄いワインって、どんなワインだろう?」との疑問から、このワインが生まれました。

アメリカ・カリフォルニアで注目を集める、デヴィッド・グリーン氏とメイヤン・コスチスキー氏がタッグを組み、スラムダンクを決めた時を思わせるワインを目指して造られています。

プティ・シラーとジンファンデル、両方とも古木から採れたブドウを使用したワインは、深みがあり濃厚な味わいを持っています。

購入はこちら

ゼルバッハ オスター シュペートブルグンダー 2018

ドイツ・モーゼル地方にあるゼルバッハ家は、1600年よりワイン造りをしている伝統ある名門の醸造所です。

24ヘクタールある自社畑にはリースリング種が栽培されており、ウォールストリートジャーナルでドイツナンバー1リースリングに選ばれるほどの高評価を得ています。

そのゼルバッハ家で造られる赤ワインは、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)100%となっており、果実味がきれいな味わいです。年間生産量は2,600本と、生産量は非常に少なくなっています。

購入はこちら

ジョヴァンニ キアッピーニ フェルッジーニ 2018

ジョヴァンニ・キアッピーニはイタリア・トスカーナ州にあるワイナリーです。

もともと1995年まではオリーブと野菜のみを育てており、1995年よりブドウ栽培を開始しました。当初は自家消費のみだったのですが、あまりにも評判がよいため2000年より販売されるようになったとの逸話を持ちます。

自社畑は、スーパートスカーナとして世界的に知られる「オルネライア」の隣にあります。サンジョベーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーから造られるこのワインは、柔らかい酸となめらかなタンニンが特徴です。

購入はこちら

5,000円から10,000円までの高級赤ワイン

10,000円までのワインは、お世話になった人へのギフトにぴったりです。記念日やお祝いなどで使うのもよいでしょう。

ターリー ジンファンデル ジュブナイル カリフォルニア 2020

アメリカ・カリフォルニア州にあるターリーは、ジンファンデルとプティ・シラーのトップ生産者として知られています。

ワインメーカー兼ヴィンヤードマネージャーのティーガン・パサラクア氏は、カリフォルニアのWebサイトにおいてワインメーカーオブザイヤーに選ばれました。

このワインには、樹齢の高いブドウが植えられた区画に再植林された若木のジンファンデルが使われています。ハーブやベリーの香りと味わいが凝縮した、力強さを感じられるワインです。

購入はこちら

ルイ ボワイヨ エ フィス ジュヴレ シャンベルタン 2019

ルイ・ボワイヨは、フランス・ブルゴーニュの名門ボワイヨ一族の4代目です。父のドメーヌ、ルシアン・ボワイヨの下でワインを造り始めましたが、方向性の違いから2003年に独立しました。

ルイ・ボワイヨでは、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌあわせて7ヘクタールの畑を所有しています。ワイン造りでは、透明感と果実味を感じる無条件においしいと思えるワインを目指しています。

このジュヴレ・シャンベルタンでは、複数区画の樹齢55~75年のブドウをぜいたくに使用。ジューシーで繊細な味わいが特徴です。

購入はこちら

アルデゲーリ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラッシコ 2017

イタリアのアルゲデーリ社は、1900年代はじめにアウグースト・アルデゲーリ氏が、家庭で飲むワインを醸造したことから歴史が始まります。非常に品質のよいワインができあがったのをきっかけにワイン造りに情熱を注ぎ始め、現在では20種類以上の“ヴィーノベロネーゼ(ベローナのワイン)”を提供する、世界でも認められるワイン生産者となりました

ヴァルポリチェッラ・クラッシコは、平均樹齢20年以上の最上質のブドウから造られる、濃厚かつなめらかな口あたりの赤ワインとなっています。

購入はこちら

10,000円から50,000円までの高級赤ワイン

10,000円以上となると、有名銘柄のものも見られるようになります。ワインに詳しい人への贈りものとして使うと、喜ばれることは間違いないでしょう。

カレラ ワイン カンパニー カレラ マウント ハーラン ミルズ ピノ ノワール 2017

カレラ・ワイン・カンパニーは、アメリカ・カリフォルニア州にあるワイナリーです。「カリフォルニアのロマネ・コンティ」「地球上で最も賞賛できるピノ・ノワールのスペシャリスト」と大絶賛され、カリフォルニアを代表するワイナリーとして高く評価されています。

ピノ・ノワールらしさを感じられるレッドベリーらしさが突出している中にも、マーマレード・きのこ・スパイスなどの複雑さが感じられます。ワイン・アドヴォケイトで90点、ワイン・スペクテイターでは92点と高得点となっているのもうなずける味わいです。

購入はこちら

ブルーノ ジャコーザ バローロ ファッレット 2018

ブルーノ・ジャコーザは、イタリア・ピエモンテ州にあるワイナリーで、ガヤと並ぶイタリアワイン界の伝説的な造り手です。

「バローロのロマネ・コンティ」「イタリアの5大シャトーの1柱を為す」と称され、ワイン・アドヴォケイトのロバート・パーカーJr.氏からは「もし私が一度も試飲をすることなく、毎年のように同じ作り手のワインを買い続けるとしたら、それはブルーノ・ジャコーザのワインである」と絶賛されています。

樹齢30年以上のネッビオーロ100%から造られるバローロは、クリーミーな質感とほどよいまろやかさを持つタンニンが特徴的。今飲んでもおいしいですが、熟成にもまだまだ耐えられる力強さを備えています。

購入はこちら

シャトー レオヴィル ラス カーズ 2005

シャトー・レオヴィル・ラス・カーズは、ボルドーのオー・メドック地区、サン・ジュリアン村にあります。

メドック格付けは第二級ですが、第一級シャトーにもひけを取らない高品質であるスーパーセカンドの筆頭です。
サン・ジュリアン村にある3つのレオヴィル(ラス・カーズ、バルトン、ポワフェレ)の中では、より繊細なワインといわれています。

2005年の当たり年に造られたこのワインは、たいへん評価が高いです。ワイン・アドヴォケイトでは97点、ワイン・スペクテイターでは100点満点となっています。

購入はこちら

50,000円から10万円までの高級赤ワイン

50,000円以上となると、希少性の高いものや有名銘柄のものが多くなります。

ドミナス エステート ドミナス 2018

ドミナス・エステートは、1983年にカリフォルニアで創設されました。

ボルドー右岸でスターワインを育てたクリスチャン・ムエックス氏がオーナーであり、現在ではカリフォルニアのトップワイナリーに数えられています。

ボルドーで培われた技術と、ナパ・ヴァレーのテロワールが融合したワインは、上質なパワーとエレガンスを感じるスタイルです。2018年ヴィンテージも、酸とタンニンのバランスが絶妙なワインに仕上がっています。ジェームス・サックリング100点、ワイン・アドヴォケイト99+点、ワイン・スペクター97点、ヴィノス98点と、軒並み高評価を得ています。

購入はこちら

ペンフォールズ グランジ 2003

1844年にイギリスから移住してきた医師クリストファー・ローソン・ペンフォールド博士が南オーストラリア州マギルで酒精強化ワイン造りを開始したのが、ペンフォールズの始まりです。

現在では、ワイン&スピリッツ誌の「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を歴代最多の28回受賞するなど、世界最高峰のワイナリーの1つとして知られています。

グランジは、オーストラリアを代表するといっても過言ではない偉大な赤ワインです。シラーズ97%とカベルネ ソーヴィニョン3%で造られた力強いワインは、20年の熟成を経てまさに飲み頃となっています。

購入はこちら

オーパス ワン 2013

オーパス・ワンは、ボルドー・メドック格付け第一級の「シャトー・ムートン・ロートシルト」と、カリフォルニアワイン界の重鎮「ロバート・モンダヴィ」が手を組んで造ったワインです。

ニューワールドとオールドワールドが融合するワイナリーで造られるオーパス・ワンは、アメリカ初のウルトラプレミアムワインとしても知られます。

2013年ヴィンテージは、デキャンタ紙とジェームス・サックリング氏が100点をつけました。ベリーやスパイスの雰囲気、ベルベットのような舌触りのタンニン、チョコレートのような濃厚さが複雑に絡み合う逸品です。

購入はこちら

10万円以上の赤ワイン

10万円を超える価格のワインを日常で購入して飲むのは、実際あまり多くありません。「一度は飲んでみたい」という憧れの銘柄も多く見られます。

シャトー ムートン ロートシルト 2009

シャトー・ムートン・ロートシルトは、1855年に制定されたフランス・メドックの格付けにおいて2級とされましたが、1973年に1級へと昇格します。これまでの歴史の中で、格付けの変更が行なわれたのはこの1回だけです。

また、毎年ラベルに美術家の作品が採用されるのも大きな特徴で、シャガール、ピカソ、キース・ヘリングなども過去に採用されました。

造られるワインは重厚で、華やかな香りを持つのが特徴です。2009年はボルドーの当たり年でもあり、ロバート・パーカーはこのワインに99点をつけています。

購入はこちら

シャトー マルゴー 1998

シャトー・マルゴーは、ボルドー・メドック地区の第一級に格付けされる5つのうちの1つです。

しなやかで柔らかさを感じるワインは5大シャトーの中で最も女性的と評され、「ワインの女王」「ボルドーの宝石」とたたえられています。

醸造より25年を経たこのワインは、凝縮されたタンニンが熟成されて丸くなり、今がまさに飲み頃といえます。

購入はこちら

シャトー ペトリュス 2009

シャトー・ペトリュスは、フランス・ボルドー地方のポムロール地区にあります。その名前は世界的にもよく知られ、生産量の少なさから市場では非常に高額で取引されるワインの1つです。

メルロ主体で造られ、柔らかくビロードのような雰囲気と力強く濃厚なボディが印象的です。2009年ヴィンテージは、ワイン・アドヴォケイトでは100点満点と非常に評価が高くなっています。

購入はこちら

100万円以上の赤ワイン

100万円を超えるワインを購入する機会のある人は、かなり限定されます。もし口にすることがあれば、その希少な経験をぜひ心ゆくまで楽しんでください。

ドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ ラ ターシュ 2018

DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)が所有するモノポール(単一畑)、ラ・ターシュで採れたブドウから造られるワインです。

ロマネ・コンティに並ぶ最高峰のブルゴーニュ赤ワインとされ、ヴィンテージによってはロマネ・コンティを上回る年もあるとされています。

ラ・ターシュを含むDRCで造られる赤ワインは、ピノ・ノワールから造られる世界最高級ワインといっても言い過ぎではないでしょう。

購入はこちら

まとめ

Bottle, glass, grape and barrel still life with restaurant on background.

高級赤ワインといっても決められた定義はなく、人それぞれの感覚による部分が大きくなります。しかし、一般的に高級赤ワインとされている銘柄を知っておくことで、意外な出会いがあるかも知れません。

高級赤ワインを選ぶ際には、銘柄やヴィンテージを参考にしながら、予算内で収まるようにすればスムーズです。よくわからない場合は、ワインに詳しいショップ店員やソムリエに聞いて選んでもらうのもよいでしょう。

1本10,000円を超えるワインは、普段なかなか手を出すことはないかも知れません。しかし、一度飲んでおくことでよい経験となり、知識の幅も広がります。無理のない範囲で、ぜひ高級赤ワインを楽しんでみましょう。

※この記事は2023年5月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。