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スタッドレスタイヤ

タイヤチェーンは必要?種類や選び方、スタッドレスタイヤと併用できるかも紹介!

2024.01.31

雪道を走行する機会がある場合、タイヤチェーンを装着するのか、スタッドレスタイヤに交換したほうがよいのか悩まれる人もいるでしょう。また、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンを併用してもよいのか疑問に思われる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、タイヤチェーンの役割や、種類に加え、正しい装着箇所について解説します。さらに、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違いや、併用できるかどうかも併せて紹介します。

記事の後半では、タイヤチェーンの選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

タイヤチェーンとは?

A medium shot of a senior, Caucasian man fixing snow chains onto his car tyres.

タイヤチェーンは、タイヤに装着するチェーンのことであり、積雪道路や凍結路面を走行するときに使用します。

タイヤのチェーンはどこに何本つける?

タイヤチェーンは正しい方法で装着しなければ、タイヤチェーンの効果が薄まり、安全に走行できなくなる可能性があります。

タイヤチェーンは、車の駆動方式によって、装着する場所や本数が決まっています。基本的には、地面に動力を伝える駆動輪にタイヤチェーンを付けると覚えておきましょう。

前輪駆動車(FF車)の場合は、前輪左右の2本にタイヤチェーンを装着します。また、後輪駆動車(FR車)であれば、後輪左右の2本に装着しなければなりません。

なお、四輪駆動車(4WD車)は、車種によって装着箇所が異なるので、車の取扱説明書などを見て判断しましょう。

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違いは?

CLOSE UP: Cinematic low angle shot of vehicle having problems driving along the snow covered trail. Glistening small chunks of fresh snow fly in the air as powerful car tries to start on a snowy road.

タイヤチェーンがあれば、「わざわざスタッドレスタイヤに交換しなくてもよいのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤには、「走行時の利便性」や「価格」などに違いがあるので、用途や予算、求める性能などに合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違いについて詳しく紹介します。

利便性の違い

タイヤチェーンは持ち運びが可能であり、ジャッキやトルクレンチなどの特殊な工具がなくても取り付けられます。タイヤチェーンを車に積んでいれば、履いているタイヤに装着して、凍結した道や雪道を走行することが可能です

ただし、タイヤチェーンを装着すると、走行時の上限スピードが低くなります。タイヤチェーンの種類によるものの、金属製であれば30km/h以下、非金属製であっても50km/h以下でしか走行できません。

一方、スタッドレスタイヤはタイヤの交換が必要です。専門店などで交換してもらう場合には料金がかかります。また、夏のあいだは使用しないので保管場所が必要です。

しかし、一度履き替えれば凍結した道路や雪道もそのまま走行できます。タイヤチェーンのように通常の道と雪道で度々装着する必要のない手軽さがあるでしょう。また、スタッドレスタイヤであれば、50km/h以上の速度域でも走行できることから、タイヤチェーンよりもスムーズな走行が可能です。

なお、スタッドレスタイヤのサイドウォール(タイヤの側面)を確認すると、「Q」という速度記号が刻印されていることが多く、最高速度160km/hまで対応していることがわかります。

価格の違い

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤとでは、利便性だけでなく、価格にも違いがあります。先述の通り、タイヤチェーンは駆動輪に装着することが基本なので、前輪または後輪のいずれか2本にだけ装着すれば問題ありません。

一方でスタッドレスタイヤの場合は、4輪とも交換しなければなりません。タイヤチェーンであれば、タイヤ2本分で済むのに対し、スタッドレスタイヤの場合は4本用意しなければならないことから、どうしても価格差が生じてしまいます。

また、タイヤチェーンのほうが、スタッドレスタイヤよりも価格が安いケースが多いです。とはいえ、タイヤチェーンの種類によっては、スタッドレスタイヤの価格と変わらない場合もあります。

チェーン規制の違い

大雪特別警報や、大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪の際に、「チェーン規制」が発令されることがあります。

チェーン規制は一部の区間で発令されますが、スタッドレスタイヤを装着していても、タイヤチェーンを装着しなければ規制区間を走行できません。

タイヤチェーンを持っていれば、急にチェーン規制が発令されても、その場で装着すれば走行することが可能です。

なお、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンは併用できます。普段スタッドレスタイヤを使用する場合は、チェーン規制外の区間はスタッドレスタイヤのみで走行し、チェーン規制区間に入る前にタイヤチェーンを装着するといった方法を取るのがよいでしょう。

タイヤチェーンの種類

Group of winter tires with snow chains standing on snowy surface.

ひとえにタイヤチェーンといっても、金属チェーンや布チェーン、ゴム・ウレタンチェーンなど、さまざまな種類があります。

ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

金属チェーン

金属製のタイヤチェーンは、ほかのタイプのチェーンよりも価格が抑えられているので、できるだけお金をかけたくない人にぴったりのチェーンといえるでしょう。走行性能については、凍結路面に強いことに加え、深い雪道でも走行が可能です。

ただ、走行時に金属が地面に当たって振動が発生するので、乗り心地が悪く感じることがあるでしょう。また、タイヤが回転するたびに、チェーンと地面の摩擦によって騒音も発生します。

また、使用後のメンテナンスを怠ると、金属が錆びてしまう可能性があるほか、長距離を走行すると破損しやすく、耐久性が高いとはいえません。

とはいえ、安価で手に入れられることから、使用頻度が少ない人におすすめのタイヤチェーンといえるでしょう。

布チェーン

布チェーンは、軽量で脱着しやすいのが特徴です。金属チェーンの場合、チェーンの連結や補助器具の取付が必要だったりと、めんどうに感じる人もいるでしょう。

しかし、布チェーンは、タイヤ全体を包むように取り付けるだけなので、力を加えずに簡単に取り付けられるのが特徴です。また、チェーン自体が布でできているので、走行時の騒音や振動が、ほとんど発生しないのも魅力といえるでしょう。

さらに、布製であることから、ホイールに接触しても、傷が付きにくいのも布チェーンの特徴です。

ただ、金属チェーンと比べると、雪道での走行性能は劣ってしまうので、使用環境に合わせて選択することが大切です。

ゴム・ウレタンチェーン

ゴム・ウレタンチェーンは、布チェーンと同様に非金属性のタイヤチェーンです。タイヤの接地面を覆うような構造となっており、積雪路はもちろん、凍結路面の走行も可能です。

また、金属チェーンと比べると、走行時の振動や騒音が小さいので、快適性が高いのも特徴といえるでしょう。さらに、チェーン自体の耐久性が高いことから、使用頻度が多い人にぴったりのタイヤチェーンです。

タイヤチェーンの耐久性は?

Car wheel with winter tire and snow chain in snow.  3d illustration

タイヤチェーンには、主に「金属チェーン」「布チェーン」「ゴム・ウレタンチェーン」の3種類がありますが、それぞれ耐久性にも違いがあります。

ただ、タイヤチェーンの耐久性は明確に提示されているわけではないので、状態を見ながら交換時期を見極めなければなりません。使用環境や頻度によって劣化の進行具合に違いがあるものの、状態を確認したうえで、定期的に交換しましょう。

また、積雪路や凍結路面ではなく、乾いた路面や舗装道路を走行すると、タイヤチェーンに負担がかかり、劣化が早まります。

基本的には、タイヤチェーンを装着する前に劣化状況を確認し、使用可否を判断することが大切です。

タイヤチェーンの選び方

Business concepts, checking

タイヤチェーンには、さまざまな種類があり、それぞれ取り付けやすさや性能などに違いがあります。

ここでは、タイヤチェーンの選び方を詳しく見ていきましょう。

取り付けやすさで選ぶ

タイヤチェーンの種類や商品によって取付方法が異なります。タイヤチェーンの取付経験がない人や、使用頻度が少ない人は、できるだけ取り付けやすいタイヤチェーンを選ぶことをおすすめします。

金属チェーンは、慣れていない人が装着するとなると、想像以上に時間がかかってしまうかもしれません。また、ゴム・ウレタンチェーンについても、取付時にコツがいるので、装着に手こずるケースも少なくありません。

布チェーンは比較的装着しやすいので、タイヤチェーンの脱着に慣れていない人は布チェーンを選ぶとよいでしょう。ただ、布チェーンは、金属チェーンやゴム・ウレタンチェーンよりも性能が劣ってしまうため、走行する場所や路面状況を加味して検討することが大切です。

性能で選ぶ

タイヤチェーンは、種類によって積雪道路における性能が異なります。布チェーンは十分な走行性能を兼ね備えているものの、金属チェーンやゴム・ウレタンチェーンのほうが性能が高いことが多いでしょう。

もちろん、どのタイヤチェーンも雪道を走行することを想定して製造されているので、性能自体に問題はありません。ただし、豪雪地帯などの雪深いところでは、金属チェーンのほうが効果を発揮しやすいでしょう。

価格で選ぶ

タイヤチェーンにはさまざまな種類があるほか、同じ種類であってもメーカーや商品によって価格が異なります。そのため、予算に合わせてタイヤチェーンを選ぶのもよいでしょう。

通常、布チェーンよりも金属チェーンのほうが高く、さらに金属チェーンよりもゴム・ウレタンチェーンの価格が高くなる傾向にあります。ただ、商品によっての価格差もあるので比較してみるといいでしょう。

タイヤチェーンは価格幅があるので、あらかじめ予算を決めておき、希望に合ったタイヤチェーンを選ぶのがよいでしょう。

タイヤチェーンを使うときの注意点

タイヤチェーンは、スタッドレスタイヤとは異なり、突然の雪にも対応できるのが特徴です。しかし、取付経験がない人や、慣れていない人は、タイヤチェーンの取付に時間がかかったり、正しく装着できなかったりすることもあるでしょう。

ここでは、タイヤチェーンを使うときに押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

事前に取付の練習をしておく

急な降雪や積雪にも対応できるように、事前にタイヤチェーンの取付の練習をしておくことをおすすめします。タイヤチェーンの種類や商品によって取付方法が異なることがあったり、取付にコツがいることもあったりします。

そのため、実際に使用することを想定して、取付の練習をしておきましょう。取付け方の動画がある場合もあるので、説明書に取り付け方のQRコードやリンクが記載されていないか確認してみてください

なお、タイヤチェーンを装着するときは、必ず駆動輪に装着するように注意が必要です。また、4WD車については、車種によって装着箇所が異なるので、車の取扱説明書やディーラーに確認しましょう。

チェーンがあるから絶対に安全とは限らない

タイヤチェーンを装着すれば、スタッドレスタイヤを装着していなくても、積雪道路を走行することが可能です。しかし、タイヤチェーンを装着しているからといって、必ずしも安全とは限りません。

積雪道路や凍結路面は、タイヤチェーンを装着していても、スリップしてしまうことがあり、事故につながる可能性も否定できません。そのため、タイヤチェーンを装着していても、通常の運転と同様に、急ハンドル、急発進、急ブレーキは避けて安全運転を心がけましょう。

また、積雪や凍結が多い地域に住んでいる人は、スタッドレスタイヤの着用がおすすめです。

誤った取り付け方だと車体を傷める可能性がある

正しい取付方法でタイヤチェーンを装着しなければ、走行中にチェーンが外れてしまうことがあります。走行中にタイヤチェーンが外れると、タイヤハウスやフェンダーなど、車体を傷つけてしまう可能性があるほか、安全に走行できなくなってしまい、非常に危険です

そのため、取扱説明書をしっかりと確認しながら、タイヤチェーンを装着しましょう。なお、事前に何度もタイヤチェーンの取付の練習をしておくことをおすすめします。

まとめ

Road sign with depicting tire chain and a truck on a snowbound road in wintertime.

毎日雪が降っていたり凍結したりするような地域では、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤなど滑り止めの着用が義務づけられています。このような地域では一般的にタイヤチェーンは豪雪時にのみ使用するケースが多いので、普段はスタッドレスタイヤで問題ないでしょう。

しかし、「普段は雪が降らず凍結もあまり心配ない地域に住んでいて、たまに雪の恐れがある場所を走行する」という場合は、タイヤチェーンが活用できます。タイヤチェーンを装着すれば、スタッドレスタイヤを履いていなくても、雪道を走行できるようになります。

タイヤチェーンは特殊な工具がなくても装着できるので、車載しておけば、急な降雪や積雪にも対応できるのが魅力です。

スタッドレスタイヤとの併用も可能なので、スタッドレスタイヤを装着し、過酷な雪道を走行するときや、チェーン規制が発令されたときのみタイヤチェーンを使うとよいでしょう。