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オールシーズンタイヤとは?性能・雪道の走行・寿命を解説

2023.07.31

降雪量の多い地域では、夏と冬でそれぞれ専用のタイヤを用意するのが一般的です。

しかし、滅多に雪も凍結もない地域で冬用のスタッドレスタイヤを装着するのは、もったいないと思う人もいるのではないでしょうか?

降雪量が少ない地域では、夏タイヤと冬タイヤの性能を持ち合わせた、全天候対応のオールシーズンタイヤが有効です。

本記事ではオールシーズンタイヤの性能やメリット・デメリットを解説します。オールシーズンタイヤの選び方やおすすめモデルも併せて紹介していきます。

オールシーズンタイヤとは?

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オールシーズンタイヤとはその名の通り、全ての季節で走行可能なタイヤのことです。特に雪道での走破性を備えている点が夏タイヤとは大きく異なります。

雪道も走行可能なタイヤ

夏タイヤは走行安定性のために固いゴムを使用していますが、雪道ではグリップ力を失い走ることができません。雪道を走るにはスタッドレスタイヤのような、柔らかいゴムとサイプという切れ込みが必要です。

オールシーズンタイヤは、雪道でも走れるように特殊コンパウンドを配合してゴムの柔軟性を持たせています。またトレッドの一部にサイプを入れることでスタッドレスタイヤと同様の効果を持たせています。

ただしオールシーズンタイヤは、夏タイヤとしての耐久性や走行性能も確保するため、一部固いゴムも加える必要があります。各タイヤメーカーではコンパウンドの配合比率やトレッドパターンなどを工夫することで、より機能性の高いオールシーズンタイヤの開発を進めています。

オフロード向けのオールテレーンタイヤとは異なる

オールテレーンタイヤとオールシーズンタイヤは別のタイヤです。

オールテレーンタイヤにはM+S(マッド アンド スノー)の刻印があり、これは雪道でも走れることを意味しています。ただし、ここでの雪道というのは積雪が浅い路面という意味で、過酷な積雪路面や凍結した路面には対応していません

またM+Sの刻印があっても基本的には夏タイヤという位置付けなので、冬タイヤ規制下で走行はできません。一方でオールシーズンタイヤは冬タイヤとしての性能が認められられており、サイドウォール部に「スノーフレークマーク」がM+Sとは別で刻印されていますので、冬タイヤ規制下での走行が可能です

オールシーズンタイヤのメリット

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次にオールシーズンタイヤで走ることのメリットを紹介します。

全ての季節で走行可能

オールシーズンタイヤは突然の降雪にも対応可能です。数年に1度の降雪しかないという地方では、スタッドレスタイヤを用意するよりもオールシーズンタイヤを選択する方が経済的となります。

夏タイヤとしての性能も持ちあわせているため、雨天でも十分なグリップ力を発揮します。

交換の手間が省ける

降雪量が多くなく気温が氷点下となることが少ない地域では、オールシーズンタイヤを装着してすることでスタッドレスタイヤを用意する必要がありません。同時にタイヤ交換の手間が省けるメリットがあります。

オールシーズンタイヤのデメリット

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次にオールシーズンタイヤのデメリットを紹介します。

凍結路面では走れない

オールシーズンタイヤは氷上でのグリップ力が劣ります。冬タイヤの性能はサイプの有無に左右されますが、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤと比べるとサイプが施されている面積が少ないためです。

凍結路面では制動力が不足するため、特に坂道ではコントロールを失い易くなります。そのため各タイヤメーカーからも、凍結路面での使用は不適切とされ、本格的な雪道の走行にはスタッドレスタイヤ着用が推奨されています

冬用タイヤとしての寿命は短い

オールシーズンタイヤは年間を通して走行し続けるため、常にタイヤをすり減らすことになります。

オールシーズンタイヤにはスタッドレスタイヤと同様に、冬タイヤとしてのの寿命を示すプラットフォームが設けられています。プラットフォームが露出するまで摩耗した場合、冬タイヤとしての性能は期待できなくなるので交換が必要となります

オールシーズンタイヤに関するよくある疑問

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オールシーズンタイヤは凍結路面以外では冬でも走行可能なタイヤです。

そんなオールシーズンタイヤに関する疑問についてお答えします。

冬タイヤ規制下でも使用できる?

冬タイヤとして走行可能なタイヤには「スノーフレークマーク」が刻印されています。これが冬タイヤ規制時に走行の可否を決める目印です。

スタッドレスタイヤはもちろんのこと、オールシーズンタイヤにもスノーフレークマークが刻印されているため、冬タイヤ規制下でも走行が認められます。

なお「全車チェーン規制」となっている道路は、スノーフレークマークの有無に関わらず、全ての車両がチェーンを装着する必要があります。

オールシーズンタイヤの寿命は?

特殊コンパウンドの配合によりやや柔らかいゴムを使用しているため、タイヤとしての寿命は35000㎞もしくは5年程度です。

ただし先述の通り、冬タイヤとして使うことを考慮すると、プラットフォーム露出までが冬タイヤとしての寿命です。そのため冬タイヤとして使える実際の寿命はさらに短くなります。

おすすめオールシーズンタイヤ5選

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次に各タイヤメーカーから販売されているおすすめのオールシーズンタイヤを紹介します。

ヨコハマ ブルーアース 4S AW21

ブルーアース 4S AW21

ヨコハマタイヤのオールシーズンタイヤです。

幅広トレッドを採用しており、広い接地面積を確保しています。これによりドライ路面はもちろんの事、雪上やウェット路面でも安定した走行性能が確保されています

タイヤサイズは14インチから19インチまで用意されており、コンパクトカーからミニバンやSUVのような大きな車まで対応しています。

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ダンロップ オールシーズンMAXX AS1

ダンロップ オールシーズンMAXX AS1

深めのVシェイプ主溝を持ち、水膜を効率よく排水できる設計となっています。これにより夏タイヤよりもウェット路面での制動力が確保されています。

また専用のコンパウンド配合により、ロングライフ設計となっているのも特徴です。氷上性能は苦手とするものの、雪上ではスタッドレスタイヤに近い性能を発揮してくれます。

タイヤサイズは13インチから20インチまで用意されており、軽自動車向けのラインナップもあります。

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グリップマックス シュアグリップ A/S

グリップマックス シュアグリップ A/S

スノーフレークマークだけでなくM+Sの刻印もあり、雪道だけでなく未舗の悪路にも対応したSUV向けオールシーズンタイヤです。

固く傾斜を付けられたトレッドブロックデザインにより乾燥路面での制動性が向上されており、V字形状トレッドパターンにより雪上路面でグリップ力を発揮します。

タイヤサイズは17インチから20インチまでとなっており、比較的大きなホイールを装着するセダンやミニバン、SUV向けのタイヤとなります。

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クムホ マーシャル MH22

マーシャル MH22

クムホのオールシーズンタイヤです。

V字に掘られた主溝が特徴で、主溝に沿う形のブロックに対して方向の異なるサイプが刻まれています。またサイプの数も他のオールシーズンタイヤに対して多く見られるのが特徴となっています。

タイヤサイズは13インチから18インチまで用意されており、セダンやコンパクトカー向けのラインナップが充実しています。

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ミシュラン クロスクライメート2

ミシュラン クロスクライメート2

M+Sの表記もあるSUV向けのオールシーズンタイヤです。V字に切られた主溝により排水機能を高めており、ショルダー部にかけて溝の幅が広くなっているのが特徴です。

また摩耗によりブロック側面に凹凸と溝が出現するP-エッジにより、摩耗時でも雪上性能が向上。ロードノイズの少ない低車外音タイヤにも該当しています。

タイヤサイズは15インチから20インチが用意されており、比較的大きめのセダン、SUV、ミニバン向けとなっています。

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ピレリ チントゥラートオールシーズン SF2

ピレリ チントゥラートオールシーズン SF2

細かいブロックを持つトレッドを採用しており、各ブロックにサイプが施されています。ドライ路面での乗り心地も良く、ランフラット&シールインサイドタイヤでもあるため、突起物によるパンクにも強いというのが特徴です。

タイヤサイズは15インチから19インチまで用意されており、比較的大きめのセダン、SUV、ミニバン向けとなっています。

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まとめ

Summer/winter tyre with sun and snow flake, 3d render

オールシーズンタイヤは積雪量の多い地域や凍結路面で走るには性能不足ですが、雪が降ることも氷点下となることも稀な地域であれば、オールシーズンタイヤを選択するのは有効です。また雪道での性能を追求したことで、排水能力が向上しており、ウェット路面では夏タイヤ以上の性能を持つオールシーズンタイヤもあります。

夏タイヤと冬タイヤには、適材適所となる使用環境があります。夏タイヤと冬タイヤの中間の性能を持ち、交換の手間を省きつつ経済性にも寄与する選択肢としてオールシーズンタイヤを検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2022年3月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。