タイヤのホイールサイズの見方|各名称も詳しく解説
ホイールを変えるだけで同じ車とは思えないほど見た目の印象に違いがでます。ドレスアップやタイヤへの変更時には、車体やタイヤサイズに合ったタイヤやホイールを選ぶことがポイントです。
本記事では、ホイールサイズの見方や確認方法を説明します。インチアップやインチダウンをする際に役立つメリットとデメリットや注意点、タイヤの外径の算出方法など、ホイールを交換する際に参考になる情報を解説します。
目次
ホイールのサイズ表記の見方
ホイールには車体に適合する情報が全て記載されています。下記の表を参考に、車体に合うホイールを確認してみましょう。
①リム径
タイヤを外したホイール単体の直径をいいます。ホイールのリムは外縁部分をあらわし、ホイールの外縁から外縁部分を計測した数値が「リム径」です。
リム径はインチ数で表示されています。1インチ=25.4mmなのでホイールのインチ数に25.4mmを掛けた数字になります。
一般的に販売されている14インチから20インチのホイールをmm表示に変換した値は次のとおりです。
リム径(インチ) | mm表示 |
14インチ | 355.6mm |
15インチ | 381mm |
16インチ | 406.4mm |
17インチ | 431.8mm |
18インチ | 457.2mm |
19インチ | 482.6mm |
20インチ | 508mm |
②リム幅
タイヤをはめる部分のホイールの幅をいいます。ホイールに記載されているリム幅の表示は、0.5インチ単位の設定です。
市販されているタイヤに適合できるようにホイールには、許容適合幅が設定されています。リム幅の適合範囲内に対応するタイヤを選択しましょう。
③フランジ形状
ホイールのリムフランジ部の形状をアルファベットで表しています。
販売されているホイールのフランジ形状は、JまたはJJが一般的ですが、Bの形状も一部見受けられます。
フランジ形状は、フランジ部分の高さ・幅・厚みによって形状の違いがあります。たとえばJ規格の場合は高さ17.5mm、JJ規格の場合は高さ18.0mmです。
④ボルト穴数
ホイールを取り付けるハブボルトが入る穴の数です。ボルト穴のことを「ホール」と呼ぶ場合もあります。
ボルト穴数は車体の大きさによって異なることが多く、軽自動車や普通車の場合は4穴・5穴、タイヤサイズが大きいSUVは6穴が主流です。バスやトラックなどの大型車では、8穴や10穴もあります。
⑤P.C.D
Pitch Circle Diameterの略語で、ボルト穴の中心点を結んで描かれる円の直径を表し、単位はmmで表示します。
国産車の場合は、100mm・114.3mmが主流ですが、輸入車の場合はさまざまなP.C.Dがあり、車種により違います。
なお、異なるP.C.Dやボルト穴数に対応するために複数の穴が開いているホイールを「マルチピッチホイール」と呼びます。
⑥インセット
ホイール(リム幅)の中心線から取り付け面までの距離をmm単位で表す数値をいいます。
「インセット」「ゼロセット」「アウトセット」と3つの名称が使用されており、詳しくは次のとおりです。
- インセット…取り付け面がリム幅の中心線より外側
- アウトセット…取り付け面がリム幅の中心線より内側
- ゼロセット…取り付け面がリム幅の中心線と同じ場合
ホイールがフェンダーから突出すると、タイヤがフェンダーに接触しタイヤが損傷する危険があるだけではなく、車検に適合しないなど法律違反になる可能性もあります。
安全面からも法律を守るという面からも、ホイールを取ったり付けたりする場合は販売店と相談しましょう。
ホイールのサイズ表記の確認方法
ホイールのサイズは、ホイール本体の刻印やシールでサイズ表記を確認できます。
一般的にはホイールの裏面に表記されていることが多く、表面から確認できない場合は、ホイールを車体から外す必要があります。
社外ホイールやメーカー純正品を履いている場合は、購入時の書類でサイズが確認できます。また、純正のタイヤホイールを装着している場合は、車の販売店や車両メーカーで車種や年式、型式などからホイールサイズが確認できる場合もあります。
ホイールのインチアップ・インチダウンについて
ホイールを交換する際には、純性同等サイズやインチアップ、インチダウンなどさまざまな方法でおこなえます。ここでは、ホイールのインチアップやインチダウンの説明と、メリット・デメリットや注意点も見ていきましょう。
インチアップ・インチダウンとは
タイヤの外径を変えずにホイールサイズ(リム径)を大きくすることをインチアップ、タイヤの外径を変えずにホイールサイズ(リム径)を小さくすることをインチダウンと言います。
インチアップは、アルミホイールが大きくなることでドレスアップ効果があります。視覚的にスタイリッシュなドレスアップを図りたい場合におすすめです。インチアップホイールは、各種メーカーからさまざまなデザインが販売されているので好みのホイールを選べるのもメリットと言えます。
インチダウンは、アルミホイールを小さいなることでコストダウンする場合と、オフロードスタイルを意識したドレスアップにおすすめです。
オールテレーン(A/T)やマッドテレーン(M/T)のタイヤを組み合わせることで、インチアップとは違った魅力があります。積雪時のスタッドレスタイヤは、実用性重視でインチダウンタイヤホイールを選ぶケースもあります。
インチアップ・インチダウンするメリット・デメリット
インチアップやインチダウンにはメリット・デメリットがあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
インチアップするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・ドレスアップ効果 ・グリップ力向上 ・ハンドル応答性の向上 | ・乗り心地がハードになる ・転がり抵抗の増加 ・ノイズ性能の低下 |
インチアップした場合のメリットは、視覚的効果に優れたドレスアップ効果に優れています。インチアップすることで、足回りがスタイリッシュになり、印象がガラッと変わるため、新鮮な雰囲気が味わえます。また、走行時のハンドリングの応答性に優れているためコーナリングや停車・発車時のグリップ力が優れ、スピーディーな走行が楽しみたい人におすすめです。
インチアップした場合に注意したいデメリットは、タイヤの偏平率が低くなるため、乗り心地がハードになり路面の振動が伝わりやすくなったり、ノイズ性能の増加により走行音が気になったりする場合があります。また、インチアップすると、転がり抵抗の増加により燃費が悪くなる傾向もあります。
インチダウンするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・乗り心地がソフトになる ・走行音が小さくなる ・タイヤ・ホイールがリーズナブル ・燃費の向上 | ・カーブやブレーキのグリップ力が低下 ・走行時にふらつきやすくなる ・見た目の印象が地味 |
インチダウンした場合のメリットは、タイヤの偏平率が高くなることで路面の振動をタイヤが吸収し、走行時の音も低減され乗り心地が良くなります。またタイヤ幅が狭くなったり、タイヤ+ホイールの重量が軽くなったりした場合、燃費の向上にもつながります。インチダウンのタイヤやホイールは、比較的に安価なものが多いのも、経済的なメリットです。
インチダウンした場合のデメリットは、小さなホイールにタイヤが分厚く見えるので視覚的に優れない印象が大きいでしょう。また、偏平率が高いのでカーブやブレーキのグリップ力やコーナリング性能などのハンドリング低下があります。
インチアップ・インチダウンする際の注意点
インチアップ・インチダウンする際には、気を付けたい注意点がいくつかあります。ここでは、インチアップ・インチダウンする際の注意点を解説します。
タイヤの外径は変えないようにする
ホイールをインチアップやインチダウンする際には、タイヤの外径を変えないように注意が必要です。
外径を変えた場合、スピードメーターに表示される速度と実際に走行している速度に誤差が生じます。車検にはスピードメーター表示速度と実際の速度の誤差を測る検査があります。誤差には許容範囲があり、スピードメーターの数値と実際の速度の差が許容範囲を超えると車検に合格できなくなります。
また、外径を大きいサイズにした場合には、走行時に車体にタイヤが接触するなどトラブルが発生する場合もあるので、純正時のタイヤの外径サイズを基本的に変えないことが大切です。
ホイールナットのサイズ・形状にも注意する
ホイールナットとは、車体のハブとホイールを留める重要な役割を担う部品です。ホイールナットのサイズや形状は、各メーカーにより異なります。
ナットの穴の両端が開いている形状の貫通型やホイールナットの片方の先端が袋状に閉じている袋型のほかに、ナットとホイールの接地面の形状にも違いがあり、テーパー座・球面座・平面座などさまざまな種類があります。
ホイールを交換する際には、ホイールナットのサイズや形状を確認して、適合する組み合わせを確実に選びましょう。
タイヤの外径と厚みの算出方法
タイヤの外径とはタイヤの直径になります。タイヤの外径を知っておくことで適切なインチアップやインチダウンが行えるようになります。
タイヤの外径は、タイヤの断面高さとリム径を足すことでもとめる事ができます、ここでは【215/45R17】のタイヤサイズを例にして計算してみます。
【例】タイヤサイズが 215/45R17(タイヤ幅215/偏平率45/インチ数17) の場合
1.タイヤの断面高さを算出する
※ タイヤ幅×偏平率×2=タイヤの断面高さ
215mm × 0.45×2=193.5mm
2.リム径をmm単位で算出する
※ 1インチのmm単位(1インチ=25.4)×インチ=リム径/mm単位
25.4mm × 17=431.8mm
3.タイヤの外径を算出する
※ タイヤの断面高さ+リム径=タイヤの外径
193.5mm+ 431.8mm= 625.3mm
なお、タイヤの厚みはホイールに記載されているので計算の省略が可能です。
まとめ
タイヤのサイズは理解していても、ホイールのサイズを知らない人は少なくないでしょう。この記事で紹介したタイヤホイールのサイズ確認方法を参考に、愛車のホイールサイズを確認しておくことで、インチアップ・インチダウンでドレスアップやスタッドレスタイヤへの履き替えがスムーズにおこなえます。
ホイールサイズの確認が難しい場合やどんなホイールが車に合うのか不安な場合には、タイヤ・ホイール専門店で専門知識を持ったスタッフに相談することもおすすめです。
純正のままのタイヤホイールより、見た目にもこだわった自分好みのタイヤホイールに変更して車のドレスアップを楽しみましょう。