スタッドレスタイヤを付けたままで車検に通るのか?夏場でも可能!?
冬用のタイヤとして使用するスタッドレスタイヤは、通常雪や凍結の心配がなくなる時期にサマータイヤへ履き替えます。
しかし、履き替え忘れなどで夏になってもスタッドレスタイヤを装着したままだという人もいるかもしれません。
この記事では車検のタイヤの審査基準や、夏場にスタッドレスタイヤを履きっぱなしにしていた場合の危険性について解説します。
ほかにもサマータイヤとスタッドレスタイヤの違いやスタッドレスタイヤの交換時期を説明しているので参考にしてください。
目次
夏場にスタッドレスタイヤを装着したままでも車検に通る?
スタッドレスタイヤは冬用のタイヤとして販売されており、春〜秋の時期はノーマルタイヤを付けることが推奨されています。
夏場にスタッドレスタイヤを装着したままだと、車検に通らなくなるのかという疑問について解説します。
スタッドレスタイヤかどうかは車検の基準に直接関係しない
車検では、タイヤの「溝の深さ・減り・損傷」といった道路運送車両法で定められた保安基準を満たしているかを点検します。
そのため、スタッドレスタイヤかどうかは関係がありません。
つまり、夏場にスタッドレスタイヤを付けた状態でも、タイヤが保安基準に満たしていれば車検を通すことが可能です。
タイヤを車検に通すための基準
タイヤの点検では道路運送車両法で定められた保安基準に則り、おもに「タイヤの溝の深さ」や「タイヤの消耗具合」をチェックします。
それぞれの項目について具体的に見ていきましょう。
タイヤの溝の深さが1.6mm以上あること
タイヤには、溝の深さが1.6mm未満を示すスリップサイン設けられています。スリップサインの場所は、タイヤの側面にある三角マークで知ることが可能です。
通常、溝の深さが十分な場合、スリップサインは溝の奥にありますが、タイヤが消耗して溝が減ってしまうとスリップサインが露出します。
数本あるタイヤの溝の中で1本でもスリップサインが露出すると、保安基準に満たなくなるため、スリップサインは車検に関係なく定期的に確認しておくと良いでしょう。
また、タイヤの溝の深さが1.6mm未満になると、道路交通法違反の対象となるので走行してはいけません。これはノーマルタイヤでもスタッドレスタイヤも同じ基準です。
タイヤが消耗していないこと
タイヤに偏摩耗やヒビ、亀裂がある場合、状態によっては車検を通すことができません。
偏摩耗とは、「タイヤの減りに差がある」状態を指します。たとえば、前輪駆動もしくは後輪駆動の車に乗っていると駆動部分のタイヤのみがより消耗するため減りやすく、タイヤによって摩耗の偏りが出てくることがあります。
また、タイヤにヒビや亀裂が入っていると、走行中にバーストしたり、タイヤ内部に水分が入って劣化したりする原因となり非常に危険です。自身でも定期的に確認しておき、万が一ヒビや亀裂を発見したら早めに新しいタイヤに交換しましょう。
夏場にスタッドレスを装着したまま運転するのは危険
スタッドレスタイヤは低温でも柔らかさを維持できるゴムで作られています。
そのため夏場の暑い時期に走行すると、タイヤが変形してグリップ力やブレーキ性能が落ちるだけでなく、タイヤがバーストする恐れがあります。
夏場のスタッドレスタイヤの使用は危険性をともなうため、冬の時期を過ぎたら必ずノーマルタイヤに履き替えましょう。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの違いとは?
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの主な違いとしては、「溝の深さや多さ」と「ゴムの柔らかさ」があり、季節によって適したタイヤの種類が変わってきます。
溝の深さや多さが違う
スタッドレスタイヤは積雪や路面凍結した道路の走行に適したタイヤで、ノーマルタイヤと比べて溝が深く、サイプと呼ばれる小さい溝が付いているのが特徴です。
これにより、雪道でもしっかりと密着して雪を踏み固めて雪への抵抗を作ったり、凍結した道路に密着してわずかに溶けている表面の水を掻き出したりすることで、スリップが起きにくくなっています。
ゴムの柔らかさが違う
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤは、ゴムの柔らかさも違います。
ノーマルタイヤは暑い環境でも走行できるように硬めのゴムで作られています。
一方、スタッドレスタイヤは道路と密着し滑りにくくするために、独自のコンパウンドで開発した柔らかめのゴムで作られており、気温が低くても柔らかさを維持できることが特徴です。
スタッドレスタイヤの交換時期
スタッドレスタイヤの交換時期の目安は次の通りです。
- ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの交換時期:雪が降る1ヶ月前
- スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの交換時期:降雪や凍結の心配がなくなれば
ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへ交換する時期は、気象庁の情報などを収集して雪が降る1ヶ月前を目安にするとよいでしょう。
タイヤ交換をお店に依頼する場合は、本格的な冬のシーズンになると非常に混み合うため早めの検討をおすすめします。
なお、スタッドレスタイヤは雨の路面では滑りやすいという特徴があるので、交換後の雨の日の走行には十分注意して安全運転を心がけましょう。
また、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ交換する時期は地域によって違いがあるため一概に言えません。降雪や凍結の心配がなくなればノーマルタイヤへ履き替える目安となります。
交換したスタッドレスタイヤはどこで保管する?
最後にスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに交換したあとの保管場所や保管方法について解説します。
自宅で保管する場合
タイヤは直射日光や雨水などに弱く、変形や傷む原因となってしまうため、風通しが良く直射日光や雨を避けられる場所に保管しましょう。
タイヤにホイールが装着されている場合は、トレッド面(路面と接触するゴムの面)が変形しないように横並びで保管し、ホイールが付いていない場合は、タイヤの変形やサイド部分が傷まないように縦並びで保管します。
自宅で保管するときは、カバーを被せたり倉庫や屋内ガレージなどで保管したりすると変形や損傷などのダメージを軽減できるでしょう。
タイヤ保管サービスを使う
自宅での保管が難しい場合は、タイヤ保管サービスを利用する方法もあります。タイヤ保管サービスは、お店によってはタイヤ預かりサービスやクロークとも呼ばれています。
タイヤの保管をはじめ、交換やメンテナンスまでしてくれるところもあり、ディーラー・タイヤ専門店・カー用品店などでおこなわれているサービスです。
料金の相場は、1年間の保管で普通車のタイヤであれば10,000円~15,000円程度、大きいタイヤ(SUV)であれば20,000円程度となっており、1ヶ月の保管料金にすると1,000円〜3,000円程度となります。
まとめ
夏場にスタッドレスタイヤを履きっぱなしにしているからといって、車検に通らないということはありません。
しかし、スタッドレスタイヤは柔らかいゴムで作られており、夏場に走行するとブレーキの効きが悪くなったりバーストしてしまったりする危険性があります。
そのため、冬の時期以外は暑い環境に適した固いゴムで作られているノーマルタイヤに交換して安全な走行を心がけましょう。