白ワインのブドウ品種は?代表的な品種とおすすめワインを紹介
白ワインの味わいには、さまざまな要因が関係しています。なかでも大きなウェイトを占めているのが、ブドウ品種です。
この記事では、白ワインに使われるブドウと、代表的な品種を7種類紹介します。
おすすめワインも紹介していますので、これまであまり品種を気にせずワインを選んでいた人も、これを機会にブドウ品種の特徴を知ってみてください。
目次
白ワインに使われるブドウとは?
白ワインには、果皮が緑色の「白ブドウ」を使うことがほとんどです。しかし時折、果皮が紫色の「黒ブドウ」からも、白ワインが造られます。
白ワインは、果皮を取り除いた果肉をしぼった果汁で醸造します。果皮の色がつかないように果汁をしぼれば、理論上はどのようなブドウからも白ワインを造ることが可能です。
なお、甘口・辛口はブドウの果皮の色とは関係しません。甘口・辛口は、ブドウに含まれる糖分と醸造方法によって決まります。
白ワインと赤ワインの違い
赤ワインは、黒ブドウの果肉や果皮、種子まですべてタンクに入れて醸造します。その際に果皮の色がワインにつくため、赤色のワインとなります。白ワインは果汁のみを使うので色がつきません。
薄くピンクに色づいたロゼワインは、黒ブドウを皮ごとしぼったり、果汁が色づくまで果皮を漬け込んだりして、少しだけ色をつけたものです。色がついた後は果皮を取り除き、白ワインと同様に果汁だけで醸造されます。
最近よく見られる「オレンジワイン」は、白ブドウを使い赤ワインと同じ方法で造られるワインです。白ブドウを使うことでワインは赤色にはならず、オレンジや濃い黄色のワインとなります。赤ワインと同様の醸造方法ですが、ワインに色があまりついていないこともあり、白ワインの1つとして扱われます。
白ワインのブドウ品種と特徴
ワイン醸造に使用できるブドウ品種は世界に数千種類あり、2019年時点で入手できるワイン専用のブドウは1,368種類といわれています。その中で実際に栽培されて使われるものは、白ブドウと黒ブドウあわせて100種類にも満たない程度です。
ここでは、白ワインに使われる代表的な白ブドウ品種を紹介します。それぞれの品種を使ったおすすめワインもあわせて紹介していますので、ぜひワイン選びの参考にしてください。
シャルドネ
シャルドネは、フランス・ブルゴーニュ地方原産の白ブドウです。環境への順応性の高さや病気に対する強さを持っていることから、現在では世界各国で栽培される人気品種となっています。
シャルドネは特徴のなさが特徴といえる品種です。冷涼な地域では酸味のきいたフレッシュなタイプ、温暖な地域では南国フルーツを感じる濃厚な味わいとなります。
木樽で熟成させたどっしりと厚みのあるワインやシャンパンの主原料に使われるなど、栽培地域や醸造方法によって多種多様なワインが造られます。
ドメーヌ・トマモレ・ブルゴーニュ・シャルドネ 2020
ブルゴーニュ・シャサーニュ村トップの1人だった父ベルナール・モレから、2007年に畑を譲り受けたトマ・モレ。父や、カリフォルニアで最新の醸造を学ぶなど研鑽を積み、自らのドメーヌと並行して 2007年から2009年までDRCモンラッシェの栽培責任者を担当しました。
トマ・モレのワインは、DRCで働いていた時に実践していた栽培法を取り入れて造られます。
恵まれたテロワールの素晴らしさを最大限に活かし、確かな知識に裏打ちされた巧みな造りと優れた感性との融合から生まれるワインは、他の追随を許しません。
このワインは白い花や熟した白い果実の香りがあり、軽やかさと若さを感じさせる生き生きとした印象を受けます。
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ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランはフランス・ロワール地方原産の白ブドウで、現在は世界各国で栽培されています。
ソーヴィニヨン・ブランの特徴は、青草やハーブを思わせるフレッシュな香りです。冷涼な地域で造られるものはハーブやレモンを感じる酸味が感じられ、温暖な地域で栽培されたものはグレープフルーツや桃のようなフルーティさを持ちます。
酸味の効いたフレッシュな辛口タイプが多く造られますが、フランスのソーテルヌではセミヨン・ミュスカデルと併用され、極甘口ワインの原料としても使われています。
ロンク・ディ・ヴィーコ・ソーヴィニヨン 2021
ロンク・ディ・ヴィーコの設立は2004年です。レフォスコという、フリウリが誇る土着ブドウに大きなポテンシャルを見出した彼は、この品種から偉大なワインを生み出すと決意しました。
祖父宅を改装した醸造施設は非常に小さく、まさにガレージワインと呼ぶにふさわしい佇まいでした。低収量のため総生産本数は限られており、ヘクタールあたりに換算するとわずか千本余りの生産本数となっています。
このワインは、華やかで凝縮したワインを生む区画と、よりシャープでシリアスなワインとなる区画のブレンドです。熟した黄桃やフレッシュハーブを感じ、ジューシーな果実味とオーク樽のコクが味わえます。
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リースリング
リースリングは、ドイツを代表する白ブドウ品種です。
ライムやレモンなどを感じるシャープな酸味を持っており、リンゴやナシ、ほのかに石油のような香りがあります。
リースリングからは、口当たりがよくきりっとした極辛口のワインから、ハチミツを思わせる濃厚な極甘口のワインまで幅広く造られます。力強い酸を持つことで、長期熟成にも耐えられるワインが多くできることも特徴です。
クラス・エアバッハー・ジーゲルスベルク・クヴァリテーツ・ヴァイン・ラインガウ・グローセス・ゲヴェックス 2020
現オーナーでありケラーマイスターを務めるマティアス・クラスの曾祖父の時代に、ワイン造りをスタートしました。2014年に現オーナーがワイナリーを引き継いだのち、醸造設備を広い場所に移転して畑を買い足し、現在8haを所有しています。
このワインは、エアバッハー村の単一畑「ジーゲルスベルク」の中でも最も優れた区画のブドウから造られる、辛口白の最上級ワインです。柑橘や白桃、白い花や蜂蜜のような香りがあり、やや高い酸酸を感じる味わいと調和した、キレのある飲み口となっています。
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ヴィオニエ
フランスのコート・デュ・ローヌ地方原産の白ブドウです。アメリカ・カリフォルニアやオーストラリアなどでも栽培されています。
バラやスイカズラ、キンモクセイのような華やかな香りと、桃やマンゴーなど熟したフルーツのような濃厚さを持っています。酸味は控えめで、とろりとした飲み応えのある辛口ワインに仕上げられることが多い品種です。
フランスのコート・ロティ地方では、黒ブドウのシラーに少量のヴィオニエを混ぜて赤ワインを造っています。
カレラ・ワイン・カンパニー・カレラ・マウント・ハーラン・ヴィオニエ2016
カレラは「カリフォルニアのロマネ・コンティ」「地球上で最も賞賛できるピノ・ノワールのスペシャリスト」と大絶賛される、カリフォルニアの生産者です。
2008年と2011年には「ワイン&スピリッツ誌」でワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、カレラのワインは世界中のワイン評論家に称賛されています。
こちらは、ピノ・ノワールで名をはせたカレラが造るヴィオニエ100%のワインです。アカシアやジャスミン、レモンの香りが特徴的です。
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ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)
ピノ・グリはもともとフランス原産の白ブドウですが、フランスよりもイタリア・アメリカ・ドイツでの栽培量が多い品種です。イタリアではピノ・グリージョ、ドイツではグラウブルグンダーとも呼ばれます。
黒ブドウのピノ・ノワールが突然変異した品種だといわれており、果皮は灰色がかった紫色です。突出した特徴を持っている品種ではないため、柔らかい酸味とほどよいコクを持つ、バランスのよいワインに仕上がります。
スカルボロ・ピノ・グリージョ 2021
スカルボロは、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州にある、家族4人で営む小さなワイナリーです。伝統的な製法、先進的で型にとらわれない考え方のもとに、伝統品種、国際品種ともに素晴らしい味わいのワイン造りを行っています。
畑に娘や息子の名前をつけ、我が子のように大事に育てられた葡萄は、丁寧に手摘みで収穫されています。
このワインはステンレスタンクを使用して醸造され、銅に近い黄金色を持ち、リンゴの蜜やアカシアなどバランスの取れたコクのある味わいが特徴的です。
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ゲヴュルツトラミネール
ゲヴュルツトラミネールはイタリア原産の白ブドウです。フランス・アルザス地方やドイツのワインがよく知られますが、最近ではアルゼンチンでの栽培量が増えてきました。
ライチやバラ、スパイスなど、複雑で甘く個性的な香りが特徴で、「アロマティック種」とも呼ばれます。独特な香りと対照的に、味わいは繊細で柔らかい酸味と果実味を持っています。
甘口から辛口まで幅広く醸造されており、スパイスの効いた料理との相性もよい品種です。
トラミン・ヌスバウマー・ゲヴュルツトラミネール 2021
トラミンは、1898年に設立された、アルト・アディジェで最も古い協同組合です。現在280の加盟員と、230haの畑を管理しています。
ブドウ品種のGewurztraminer(ゲヴュルツトラミネール)には、「tramin」というスペルが入っています。これはアルト・アディジェのトラミンという町の名前であり、ゲヴュルツトラミネールの原産地です。
ゲヴュルツトラミネールから造られるヌスバウマーはイタリア3大ゲヴュルツの1つに挙げられ、毎年のようにトレビッキエリ(優れたイタリアワインに与えられる最高評価)を取り続けています。
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シュナン・ブラン
シュナン・ブランはフランス・ロワール地方が原産の白ブドウですが、全収穫量の半分以上が南アフリカで栽培されています。
寒冷地で栽培されるとリンゴやナシ、温暖な地域ではバナナやハチミツなどを感じるブドウとなり、スッキリしたワインからボリュームを感じるワインまで幅広く醸造できるのが特徴です。
酸味が豊かで香り高く、造られるワインは辛口白ワインや極甘口の貴腐ワイン、スパークリングワインなど多岐にわたります。ワイン以外では、ブランデーの原料としても使われています。
レムフクト・ハニーバンチ・シュナン・ブラン 2019
レムフクトは、ステレンボッシュのシモンズバーグ・マウンテン南西側、麓部分の斜面に位置するワイナリーです。
所有するブドウ畑はおよそ30haで、最も高い地点と低い地点の差は100メートルもあります。白ブドウはおいては、驚くべきポテンシャルを発揮するシュナン・ブランの古木が育てられています。
このワインに使用されるブドウは、房の一部が半レーズン状になるまで完全に熟すのを待ちます。年によっては、一部に貴腐菌が付くこともあります。辛口でありながらも「ハニーバンチ」の名前のとおり、まるで蜂蜜のような濃密な風味が特徴です。
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まとめ
白ワインを醸造するには、多くは白ブドウを使用します。しかし、白ワインは果皮を取ってしぼった果汁から造られるため、黒ブドウからでも白ワインの醸造は可能です。
ワインに使われるブドウ品種は1,000種類以上あるとわれていますが、実際に使われるものは限られています。世界的に広く栽培されるものもあれば、その地域でしか栽培されていない土着品種もあります。
ブドウ品種の特徴を知ると、ワイン選びが楽しくなるものです。今回紹介した7つの品種以外にも、魅力的な白ワインができるブドウは数多くあります。ぜひいろいろと試してみて、自分好みの品種を見つけてみてください。
※この記事は2023年4月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。