タイヤの種類はどれだけある?タイヤを正しく選ぶ7つの基準を紹介
タイヤにはさまざまな種類があり、季節や用途に合ったタイヤを選ぶことが大切です。とはいえ、実際にどのようなタイヤがあるのか、それぞれどのような特徴があるのかわからない人が多いでしょう。そこで、タイヤの種類をシーズン別、機能別、さらに構造別に分けて解説します。
目次
シーズン別タイヤの種類と見分け方
タイヤには、通常のサマータイヤに加え、雪道に対応したスタッドレスタイヤ、乾燥した路面や濡れた路面、若干の積雪した路面まで対応した全天候型のオールシーズンタイヤがあります。ここでは、それぞれの特徴と見分け方を見ていきましょう。
サマータイヤ
サマータイヤは、ノーマルタイヤとも呼ばれており、新車に標準で装着されているタイヤです。
スタッドレスタイヤと区別するために、夏を意味する「サマー」と呼ばれていますが、実際は夏専用タイヤではなく、雪道以外であれば一年中利用できます。なお、スタッドレスタイヤと比べると溝が浅いのが特徴です。
スタッドレスタイヤ
スタッドレスタイヤは、雪道や凍結している路面を走行するときに装着するタイヤです。サマータイヤよりも溝が深いことに加え、タイヤのトレッド部分に「サイプ」と呼ばれる細かい溝が多く刻まれているのが特徴です。
また、サイドウォールには「STUDLESS」と記載されているので、サイドウォールを見れば、サマータイヤと区別できるでしょう。
オールシーズンタイヤ
オールシーズンタイヤは、サマータイヤとスタッドレスタイヤの特徴を兼ね備えたタイヤで、様々な路面状況に対応してます。一般的な舗装された道路はもちろん、少し積雪している程度の雪道なら走行できるほか、泥道などの悪路走行にも対応しているのが特徴です。
なお、オールシーズンタイヤのサイドウォールには、泥を意味する「M」と雪を意味する「S」が「M+S」と刻印されています。
※M=MUD(泥)、S=SNOW(雪)
機能別タイヤの種類
タイヤの種類は、「オールテレーンタイヤ」「低燃費タイヤ」「コンフォートタイヤ」「スポーツタイヤ」「ランフラットタイヤ」など、機能によって区別されていることもあります。
ここでは、それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。
オールテレーンタイヤ
オールテレーンのオールは「すべて」、テレーンは「地形」を意味しており、オールテレーンタイヤとはどのような路面でも走行できる走破性の高いタイヤのことをいいます。
主にSUVや4WD車に装着されることが多く、サイドウォールには「A/T」や「T/A」の刻印があるので、区別しやすいでしょう。
低燃費タイヤ
低燃費タイヤとは、一般社団法人日本自動車タイヤ協会(通称:JATMA)が定めたグレーディングシステムで、低燃費性能と安全性能の基準を満たしたタイヤです。
転がり抵抗性能が「AAA」「AA」「A」の三段階、ウェットグリップ性能が「a」「b」「c」「d」の四段階にわけられており、いずれも基準を満たしていなければ、「低燃費タイヤ」と呼ぶことはできません。
なお、低燃費タイヤには、「低燃費タイヤ統一マーク」が描かれているので、ラベルを確認すれば判断できます。
コンフォートタイヤ
コンフォートタイヤは様々な路面や走行シーンを考慮して、タイヤに求められる性能のバランスが良く、特に静粛性と乗り心地が良くなるように設計されています。
タイヤのトレッドパターンはブロックは小さくなると、路面と設置した際の音が小さくなりますが、小さすぎると剛性が保てず安定性が損なわれてしまいます。
そのため、安定性を保てる範囲でブロックを可能な限り小さくしたり、大きさの異なるブロックを配置して共鳴によるノイズを低減させたり、タイヤの内部にノイズを吸収するシートを配置したりなど、タイヤメーカー各社は様々な技術を用いて快適性を向上させています。
珍しいものでは、タイヤの内部に音を吸収する特殊なスポンジを装着しているタイヤもあります。
スポーツタイヤ
スポーツタイヤは、優れたグリップ力や高い安定性を持っているタイヤです。さらに、タイヤ溝の面積が小さいため、路面との接地面積が増えてグリップ力が高いことが特徴です。
そのほか、耐久性が高いことに加え、制動力および操舵性にも優れているので、スポーツ走行を楽しめるでしょう。なお、安定性も高いことから、スポーツタイヤであれば、ワインディングロードなどでも安心した運転ができるほか、サーキット走行も楽しめるでしょう。
ランフラットタイヤ
ランフラットタイヤは、パンクなどで空気圧がゼロになっても一時的に一定距離であれば走行できるタイヤです。サイドウォール内部に補強ゴムが備わっているためです。
なお、ランフラットタイヤかどうかは、ISOのシンボルマークで判別できるほか、「215/55RF17」というように「F」が刻印されていることがあります。ただし、タイヤメーカーによって表記の仕方が異なることを留意しておきましょう。
なお、タイヤのラベルにRun Flat Tireの頭文字である「RFT」が記載されているほか、サイドウォールにも「RFT」と刻印されています。
構造別タイヤの種類
タイヤの構造は主に「ラジアル構造」と「バイアス構造」の2種類に分けられます。ここでは、構造別にタイヤの特徴を見ていきましょう。
ラジアル構造
ラジアル構造のタイヤとは、タイヤの中心から放射線状(ラジアル状=Radial)にカーカスが配置されており、カーカスをベルトで締め付けて製造されるタイヤです。カーカス部分の主な原料はポリエステルであり、ベルトにはスチールが使われることが多いでしょう。
なお、ラジアルタイヤは、操舵性や安定性に優れていることに加え、耐摩耗性が高いことが特徴です。
※トレッド…タイヤが地面と接触する部分
※カーカス…タイヤの骨格、胴体部分
※ベルト…トレッドとカーカスの間にある補強帯
バイアス構造
バイアス構造のタイヤは、カーカスが斜め(バイアス=bias)に配置されていて、ねじれが生じないように逆方向に複数枚のカーカスを重ねて製造されているタイヤです。バイアス構造のタイヤにはベルトの代わりに、ブレーカーと呼ばれるストッパーのようなものが装着されて、カーカスを締め付けています。
なお、バイアスタイヤは、低速や悪路走行の乗り心地がいいことから、大型車両やSUVで使用されることがあります。
※ブレーカー…トレッドとカーカスの間にある補強帯
タイヤを正しく選ぶときの7つの基準
タイヤにはさまざまな種類があるため、どのタイヤを選べばいいかわからない人が多いでしょう。ここでは、タイヤを正しく選ぶときに注目したい7つの基準を紹介します。
1.直進安定性
路面状況によるふらつきを抑えて、直進の安定性が高いかどうかがタイヤ選びのポイントです。とくにミニバンやハイトール型の軽自動車など、車高が高い車の場合、横風や路面の影響で直進時にふらついてしまうことがあります。
ただ、直進安定性の高いタイヤを選べば、ふらつきを抑えられるので、安定した走行ができるでしょう。
2.ドライ性能
ドライ性能とは路面が乾いた状態でのタイヤの性能のことをいい、舗装された道路の走行性能の高さもタイヤ選びの基準となります。とくに、発進、停止、曲がるの基本的動作の性能の高さはチェックしておきたいポイントです。
3.ウェット性能
雨天時に走行する機会がある方は、ウェット性能も確認しておきましょう。
昨今は、ウェット性能に特化したタイヤに加え、ウェット路面とドライ路面の走行性能および静粛性やライフ性能といった、そのほかの性能バランスが取れたタイヤもあります。
4.低燃費性能
タイヤの転がり抵抗が低ければ、タイヤが転がりやすいので、エンジンが消費するエネルギーを抑えられて、燃費がよくなります。低燃費性能にこだわりたい人は、JATMAが定める低燃費タイヤの基準を満たしたタイヤを選ぶのがいいでしょう。
5.ライフ性能
タイヤは消耗品なので、定期的に交換しなければなりませんが、できるだけ交換頻度を抑えて出費を抑えたい人も多いでしょう。少しでもタイヤの交換サイクルを減らしたい人は、耐久性や耐摩耗性が高いライフ性能に優れたタイヤを選ぶことをおすすめします。
6.静粛性
タイヤの種類によって静粛性が大きく異なり、車内へのロードノイズの伝わりやすさが変わります。車に乗っている人の中には、ロードノイズが気になってしまい、運転に集中できなかったり、ドライブを楽しめなかったりする人もいるかもしれません。ロードノイズが気になるという人は、静粛性の高いタイヤを選ぶのがいいでしょう。
7.乗り心地
乗り心地がいいタイヤであれば、路面から伝わる振動や揺れを抑えられるので、快適なドライブを楽しめるでしょう。車酔いが気になる人は、乗り心地性能が高いタイヤを選ぶことをおすすめします。
まとめ
タイヤは、サマータイヤやスタッドレスタイヤなどの種類の違いに加え、乗り心地や静粛性などの性能にも違いがあります。どのようなタイヤを選べばいいかわからない人は、本記事で紹介した「タイヤを選ぶときの7つの基準」を参考にして選びましょう。
なお、タイヤ専門店のフジ・コーポレーションでは、専門スタッフがお客様の要望をしっかりとヒアリングしたうえで、ぴったりのタイヤをご提案いたします。
※この記事は2023年3月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。