タイヤの速度記号とは?意味・選び方とリスクを初心者向けに解説

タイヤ交換を検討しており、タイヤについて調べていると、「速度記号」といった言葉を見たことがある人もいるでしょう。またタイヤのサイドウォールに見慣れないアルファベットが並んでいて、どういった意味があるのか疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では速度記号の意味や選び方に加え、安全性への影響について詳しく解説します。
目次
タイヤの速度記号とは?
タイヤの速度記号はタイヤが安全に走行できる最高速度を示す記号であり、アルファベットで表記されます。
速度記号を知ることで、安全に走行できる最高速度を確認できます。
速度記号の表示場所と見方
速度記号はタイヤのサイドウォール(側面)に刻印されています。サイドウォールに「195/65R 15 91 H」といった数字とアルファベットが刻印されており、この場合は「H」が速度記号にあたります。
速度記号と荷重指数(ロードインデックス)の関係
タイヤのサイドウォールには、速度記号のほかにタイヤサイズやラジアルやバイアスなどの構造、荷重指数(ロードインデックス)などさまざまな情報が刻印されています。
特に、荷重指数は速度記号と並んでいるため混同しやすいですが、荷重指数はタイヤ1本で支えられる最大負荷能力を表す数値です。
このように、サイドウォールの数字とアルファベットはぞれぞれ独立した情報で、意味や役割が異なります。
タイヤの速度記号の種類と一覧表
タイヤの速度記号はアルファベットで表記されます。車両の走行性能や設計速度に応じて、メーカーが適切な速度記号のタイヤを指定しています。
下記は一般的な速度記号と、それぞれに対応する最高速度の上限をまとめた一覧です。乗用車からスポーツカー、高速走行に対応する特殊な車種まで、幅広い用途に応じて使い分けられています。
速度記号 | 最高速度(km/h) |
L | 120 km/h |
M | 130 km/h |
N | 140 km/h |
Q | 160 km/h |
R | 170 km/h |
S | 180 km/h |
T | 190 km/h |
U | 200 km/h |
H | 210 km/h |
V | 240 km/h |
W | 270 km/h |
Y | 300 km/h |
ZR(Y) | >300 km/h |
ZR | >240 km/h |
たとえば、「H」なら、タイヤが安全に走行できる最高速度は210km/hです。
なお、タイヤの速度記号の中でも、「ZR」という表記は特殊なカテゴリーに分類されます。これは240km/hを超える速度域に対応するタイヤに使われるもので、高速性能を重視したスポーツカーやスーパーカー向けに設計されています。
「ZR」は厳密には速度記号そのものではなく、240km/h超に対応する構造であることを示すカテゴリー記号として、タイヤサイズの中に含まれています。正確な最高速度を把握するには、WやYなどの速度記号を併せて確認する必要があります。たとえば、「225/40ZR18(92Y)」という表示であれば、「ZR」で高速対応構造であることを示し、「Y」は最高速度は300/hまで対応可能であることを指します。
速度記号と耐久性の関係性
タイヤの種類や銘柄によって速度記号が異なり、対応できる最高速度に違いがあります。そこで、対応できる最高速度の高さと耐久性の高さには関係があるのか疑問に思う人もいるでしょう。
ここでは、速度記号と耐久性の関係性について解説します。
速度記号による材質の違い
対応する最高速度が高くなるほど、耐摩耗性や耐熱性に優れているコンパウンドが使用されています。高速走行時はタイヤに負荷がかかり、熱を持ちやすくなるからです。
そのため、速度記号が高いほど、高速走行にも耐えられるように高品質なゴムや添加剤が使用されているのが一般的です。
構造面での違いと耐久性の関係
タイヤの材質だけでなく、構造面にも違いがあります。対応する最高速度が高いタイヤは、サイドウォールが強化されており耐久性を重視した構造となっています。さらに、高速走行時の負荷に対応するために、トレッド面やカーカスの強度にも違いがあるのが一般的です。
タイヤ選びと速度記号
タイヤの種類や銘柄によって速度記号に違いがあるので、どれを選べばいいかわからない人もいるでしょう。タイヤを選ぶ際は、速度記号そのものから選ぶのではなく、まず車両に指定されたタイヤサイズや性能要件に適合する製品を選ぶことが基本です。そのうえで、装着するタイヤの速度記号が車両メーカーの指定と同等以上であることを確認しましょう。
車の取扱説明書や、運転席ドア付近の空気圧ラベルに純正タイヤのサイズ・速度記号が記載されているため、これを基準にタイヤを選ぶのが安全です。
なお、純正タイヤと異なる速度記号のタイヤを装着しても、車検には影響しません。ただし、安全面や車両の性能に問題が生じる可能性もあるため、事前に専門家に相談することをお勧めします。
速度記号は、車種そのものよりも、装着するタイヤの用途や構造設計によって決まります。たとえば、以下のような傾向があります。
- 普通乗用車(サマータイヤ):速度記号SまたはT(最大速度180 km/h・190 km/h程度)
- スタッドレスタイヤ:速度記号Q(160km/h)
- スポーツカー:速度記号V以上(最大速度240 km/h)
- SUV・トラック:速度記号T以上(最大速度190 km/h程度)
なお、スタッドレスタイヤはグリップ力や耐寒性能を重視して設計されているため、サマータイヤと比べて速度記号が低めになるのが一般的です。
価格と性能のバランスを考慮する
一般に、速度記号が高いタイヤほど、耐熱性や高速安定性が高くなるため、価格も高めに設定されている傾向があります。
日常的に高速道路をあまり使わない場合は、純正と同等レベルの速度記号を満たしていれば十分です。そのうえで、価格や静粛性、寿命などの総合的なバランスを重視した選び方がおすすめです。
基本的にタイヤは速度記号で選ぶものではなく、車両指定サイズや用途に合う製品を選んだうえで、速度記号が条件を満たしているか確認するのが正しい選び方です。
スタッドレスタイヤの速度記号との違い
スタッドレスタイヤの速度記号は、サマータイヤと異なります。スタッドレスタイヤは、積雪道路や凍結路面での走行を考慮して設計されており、速度域が低い走行を想定しているからです。
そのため、ほとんどのタイヤメーカーのスタッドレスタイヤは、速度記号「Q」(最高速度 160 km/h)に統一されています。
スタッドレスタイヤはサマータイヤよりも柔らかいゴムを使用しており、耐久性や最高速度を重視するのではなく、積雪路面での滑りにくさを重視した設計になっています。
用途が異なるタイヤであるため、スタッドレスタイヤを装着した場合は、無理な速度域で走行しないように注意しましょう。
適合しない速度記号のタイヤを使うリスク
純正タイヤと同じサイズのタイヤを装着すれば、通常は速度記号も適合しています。そのため、適合しない速度記号のタイヤを装着するケースは極めて少ないと言えるでしょう。
ただし、インチダウンなどでタイヤサイズを変更する場合、基準よりも低いタイヤサイズを選んでしまうことがあるため、注意が必要です。
ここでは、仮に速度記号などの性能が適合していないタイヤを装着した場合、どのようなリスクが考えられるかについて詳しく見ていきます。
事故につながる危険性がある
速度記号が車両の性能に対して不足している場合、指定された最高速度を超えて走行すると、高速走行時にタイヤが負荷や熱に耐えられず、バーストする可能性があります。
高速走行時にバーストすると、車両のコントロールを失い、重大な事故を引き起こしかねません。
なお、タイヤの安全性を確保するためには、速度記号の適合性だけではなく、タイヤサイズや荷重指数などの性能要素も総合的に確認することが重要です。
保険適用外になる可能性も
事故時に装着していたタイヤの速度記号が車両指定よりも低い場合において、運転者がそのことを認識して走行していれば、保険会社の判断で過失を問われる可能性があります。
万が一、過失が認められると、保険が適用されないケースもあるので、注意が必要です。このようなリスクを避けるためにも、速度記号・タイヤサイズ・荷重指数のすべてを適合させることが望まれます。
車検に通らない
速度記号そのものが車検の基準となるケースは少ないものの、ロードインデックスが車両指定よりも低い場合には、車検に不合格となることがあります。
構造上の適合性が不十分であると判断されれば、安全基準を満たしていないとみなされる場合があります。
まとめ
タイヤの速度記号は、安全に走行できる最高速度を示した記号です。タイヤ交換時には、サイズ・荷重指数(ロードインデックス)・速度記号などを含めたタイヤ規格全体が、車両の仕様と合っているかを確認する必要があります。
純正タイヤと同じサイズのタイヤであれば、速度記号は適合していることが一般的です。ただし、インチダウンなどで純正タイヤからタイヤサイズを変更している場合は、純正タイヤの速度記号よりも低くなっていないかを確認しましょう。
なお、速度記号はあくまでも複数あるタイヤ性能の指標のひとつに過ぎませんが、安全性に関わる重要な要素です。自分で判断できない場合は、タイヤ専門店などのプロに相談することをおすすめします。
※この記事は2025年6月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。