ホイールがサビる原因とは?サビの予防方法と交換のタイミング

ホイールに発生するサビは、見た目が悪くなるだけでなく、安全性にも大きく影響を及ぼす可能性があります。特にスチール製やアルミ製のホイールは、酸素や水分、融雪剤、潮風などの影響でサビが発生・進行しやすく、放置するとタイヤの空気漏れや脱輪のリスクもはらんでいます。
この記事では、ホイールがサビる原因を素材別に詳しく解説し、効果的な予防策や、交換が必要となるサビの判断基準を紹介します。
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目次
ホイールが錆びる原因
一般的な車のホイールは、スチール(鋼)製かアルミニウム製です。それぞれサビの発生の仕方や特徴が異なりますので、見ていきましょう。
スチールホイールは主に、鉄鋼でできており、工場出荷時にはサビ止めの塗装が施されています。しかし、この塗装が剥がれると、そこから「赤錆」が発生し、徐々に広がっていきます。赤錆は鉄鋼を腐食させ、強度を弱める可能性があるため、早めの対処が必要です。
一方、アルミホイールは「サビない」と思われがちですが、アルミニウムも鉄と同様に酸化して腐食します。アルミホイールが腐食すると、鉄のように赤いサビではなく、白いミミズのような「白錆」が発生します。白錆は、見た目を損なうだけでなく、放置すると腐食が進行し、最悪の場合、ホイールとタイヤが外れる危険性もあります。
酸素と水分の影響
サビは、金属が酸素と水分に触れることで発生する化学反応(酸化)によって引き起こされます。空気中には約21%の酸素と水分が含まれており、これらが金属に接触すると酸化物が生成され、サビの原因となるのです。
特に、湿度が高い環境や雨水にさらされる状況では、サビが発生しやすくなります。ホイールの表面には保護塗装が施されていますが、この塗装が剥がれたり損傷したりすると、内部の金属が露出し、サビが発生しやすくなります。
塩害
サビの発生を促進する大きな要因の一つに「塩害」があります。塩害の主な原因は融雪剤と潮風です。
【融雪剤】
雪が多く降る地域では、路面凍結を防ぐために、融雪剤が散布されます。融雪剤には塩化カルシウムなどの塩分が含まれています。走行中に融雪剤を含んだ水分がホイールに付着すると、腐食が引き起こされます。特にスチールホイールは塩害に弱い傾向があり、早めの対処が重要です。主な対処法としては、走行後早めにホイールを水でよく洗い流す、定期的に防錆剤を塗布(※)するなどがあります。
※フジ・コーポレーションでは防錆剤塗布のサービスは行っておりません。予めご了承ください。
【潮風】
沿岸部では、潮風に含まれる塩分がホイールに付着し、サビを促進する要因となります。塩分は水分よりも腐食性が強いため、注意が必要です。
これらの塩分が付着したまま放置すると、サビが広範囲に進行し、ホイールの美観を損なうだけでなく、リム部にサビが発生するとエア漏れの原因にもなり得ます。
傷や塗装の劣化
ホイールのサビは、表面の傷や塗装の劣化から始まることが多いです。
【物理的な接触】
縁石にホイールを擦ってしまったり、走行中に飛び石が当たったりするなど、物理的な接触によってホイールに傷がつくと、その部分の塗装が剥がれます。
【塗装の経年劣化】
長期間同じホイールを使用していると、たとえ物理的な接触がなくても、経年劣化によってホイール表面の塗装が知らぬ間に剥がれることがあります。
塗装が剥がれたり傷がついたりした部分は、ホイールの素材がむき出しになり、そこから水分が侵入しやすくなるため、サビが発生・進行するリスクが高まります。
ブレーキダストや汚れ
ホイールのサビの原因は、物理的な損傷や塩害だけではありません。
【ブレーキダスト】
ブレーキをかけることによって発生する「ブレーキダスト」は、微細な金属粉塵(鉄粉)を含んでおり、これがホイールに付着することで酸化反応を引き起こし、サビの原因となることがあります。ブレーキダストが付着したまま放置すると、ホイールが茶色く変色し、さらにサビにつながる可能性もあります。
【その他の汚れ】
道路上を走行していると、泥やほこり、アスファルトに含まれるピッチやタール、さらには硫黄を含んだ排気ガスやその他の化学物質などがホイールに付着します。これらの汚れを放置すると、ホイールの見た目に悪影響を及ぼすだけでなく、サビの発生や進行の原因となることがあります。
ホイールのサビ落としは推奨しない!その理由
ホイールにサビが発生すると、ご自身で対処を試みる方もいるかもしれません。しかし、ご自身でのサビ落としは推奨しません。その理由を詳しく見ていきましょう。
表面処理は一時しのぎだから
軽度のサビであれば、市販のサビ取りスプレーやホイール専用クリーナーで対処できる場合があります。また、コンパウンドやサンドペーパーで削り取る方法もあります。
しかし、これらの「表面処理」はあくまで一時的なものです。サビ取りのために研磨を行うと、ホイール表面の保護塗装やコーティングも一緒に剥がれてしまう可能性があります。塗装が剥がれた部分は金属がむき出しになり、再び酸素や水分に触れるため、サビが再発しやすくなります。
また、サビが深く進行している場合、見た目には除去できたように見えても、深部に腐食が残ってしまうリスクがあります。わずかなサビでも残っていると、そこから再びサビが広がり始めるため、根本的な解決にはなりません。
再発しやすく本質的な解決にならないから
ご自身でサビ取りを行った場合、完全な除去が難しいため、サビが再発する可能性が高くなります。表面処理を繰り返しても、ホイール本来の保護機能が失われた状態では、サビの発生を完全に防ぐことはできません。
特に、アルミホイールの白錆は一度腐食してしまうと、どんどん進行する性質があります。また、スチールホイールの赤錆はアルミホイールよりもサビの進行が早いため、サビ取りには専門知識と経験が必要です。何も知らずに重度のサビを取ろうとした場合、ホイールに傷がついたり変色したりと、逆効果になるかもしれません。
サビは放置するほど広がり、ホイール以外の部品(タイヤ内部、ハブボルト、ナットなど)にも悪影響を及ぼす可能性があるため、安全な走行のためには早めの対処が不可欠です。ご自身での対処に不安がある場合や、サビが重度である場合は、専門知識と工具を持つプロに依頼することをおすすめします。
ホイールのサビを防ぐには?
サビを未然に防ぐことが、ホイールを長く美しく保つための最善策です。日頃から愛車のメンテナンスを丁寧に行うことが重要になります。
定期的に洗浄する
ホイールのサビを予防する最も基本的な方法は、定期的な洗浄です。
【ホイールの洗浄方法】
- 汚れや融雪剤を洗い流す
ホイールには、走行中に付着する泥汚れ、ホコリ、そして特に冬場の融雪剤など、サビの原因となるさまざまな物質が付着します。これらをこまめに洗い流すことで、サビの発生を防ぎ、進行を抑制できます。
- 中性洗剤を使って洗う
洗浄の際は、ホイールに優しい中性の洗剤を使用し、柔らかいブラシやスポンジで優しく洗いましょう。汚れを強くこすると傷つく恐れがあるため、注意が必要です。酸性の洗剤はホイールにダメージを与える可能性があるため、避けるのが賢明です。
- 頑固なブレーキダストには専用クリーナーもおすすめ
通常の洗車では落ちにくい頑固なブレーキダストなどの汚れには、カー用品店などで売られているホイール専用のクリーナーを使用するのが効果的です。商品の説明をよく読み、ホイールの素材に合ったものを選んでください。
- 乾燥させる
乾いたクロスなどで水分をしっかり拭き取るようにします。水分が付着したままだと、サビが発生しやすくなるだけでなく、タイヤの劣化も促進される可能性があります。
なお、手洗いでの洗浄を推奨します。スチーム洗浄や高圧洗浄機は、ホイールの傷や変色につながる可能性があるため、使用の際は注意が必要です。
コーティングを施す
ホイール洗浄では十分でないと感じる場合や、より強力なサビ対策を求める方には、ホイールコーティングを施工する方法もあります。
ホイールコーティングは、ホイールの表面に分厚い被膜を形成します。この被膜が小石や砂による傷から守り、酸素や水分の接触を抑制します。
プロが施工するホイールコーティングは、ガラスと同じケイ素を主成分とするなど、市販品と比較して非常に硬く丈夫な被膜を形成します。そのため、市販品が約3〜6ヶ月の持続性であるのに対し、プロ施工のコーティングは約3年と、効果が長持ちする傾向にあります。これは、長期間にわたってホイールをサビや汚れから保護することにつながります。
なお、フジ・コーポレーションではコーティングのサービスは行っておりません。また、コーティングの施工状況によってはホイールメーカーの保証が受けられない場合がありますので、予めご了承ください。
ホイール交換が必要なサビとは?
ホイールのサビは、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、安全な走行に危険を及ぼす可能性があります。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)では自動車のタイヤの使用基準について、「ホイールは亀裂、損傷、変形、又は、摩滅及び錆、腐食の著しいものは使用してはならない」としてます。これは、サビが深く進行するとホイールの強度が低下し、タイヤの脱輪やバーストといった重大な事故につながる恐れがあるためです。
具体的には、以下のような状態のサビは、表面処理やコーティングでは対処が難しく、ホイールの交換が必要となる可能性が高いです。
•スチールホイールの深い赤錆: 鉄が深く腐食し、穴が空いてしまっているような状態。
•アルミホイールの深部への白錆浸透: 白錆が表面だけでなく、ホイールの内部まで深く浸透し、広範囲に広がっている状態。特に、ホイールのリム部(タイヤとの接合部)にサビが発生すると、タイヤの空気漏れ(エア漏れ)の原因となるため非常に危険です。
まとめ
一度サビてしまったホイールを、新品の状態まで完全に復元することは非常に難しいとされています。少しでもサビが残ってしまうと、再び腐食が進行してしまうためです。
サビの進行が著しい場合は、修理費が高額になることもありますので、専門家に見積もりを取り、修理か交換かを検討することをおすすめします。安全なカーライフのためにも、小さなサビでも見つけたら放置せず、早めに対処することが大切です。
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※この記事は2025年7月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。