タイヤのローテーションとは?やり方やメリットを紹介
タイヤをメンテナンスせずに長期間使用していると、通常よりも寿命が短くなってしまう可能性があります。タイヤの寿命を少しでも延ばすために、「タイヤのローテーション」をおこなうことが大切です。
そこで、タイヤのローテーションとはどういったものなのか、目的やメリットを解説します。さらに、自分でおこなうときの注意点も併せて紹介しますので参考にしてください。
目次
タイヤのローテーションとは?
走行環境や車の駆動方式などによって、タイヤの摩耗の仕方や進行具合がタイヤそれぞれで異なります。そこで、摩擦を均一化するために定期的にタイヤの装着位置を変えることを「タイヤローテーション」と言います。
タイヤローテーションの目的・メリット
タイヤローテーションの目的は、タイヤの摩耗を均一にしてタイヤの寿命を延ばすことです。
たとえば、前輪駆動車はフロントタイヤが摩耗しやすいです。そのままの状態にしていると、フロントタイヤの寿命が先にきてしまいますが、タイヤのローテーションをおこなうことで、摩耗を均一化できるので、通常よりもタイヤの寿命を延ばせます。
また、摩擦を均一化することで、パンクのリスクを低減したり、振動やロードノイズの発生を抑えられるといったメリットもあります。
ローテーションのタイミング
タイヤローテーションのメリットを理解したところで、どのタイミングでローテーションすればよいのか悩むものです。
ここでは、タイヤローテーションのタイミングについて見ていきましょう。
走行距離が5,000Kmくらいになったら
ローテーションのタイミングは車重や走行環境などによって変わるものの、走行距離が5,000kmくらいになったタイミングが目安になります。一般的な年間の走行距離が10,000kmほどとされているので、6か月に1回のペースでタイヤローテーションをおこなうイメージです。
とはいえ、路面状況や走行環境によって劣化の仕方や進行具合が変わります。そのため、カーブが多い道やブレーキを多用する場合は、頻繁にタイヤの状態を確認し、必要があれば走行距離が5,000kmに満たなくてもローテーションを検討しましょう。
タイヤを履き替えるとき
夏や冬など、季節に応じてタイヤを交換するときに、併せてローテーションするのもいいでしょう。
積雪地域や雪道を走る機会がある方は、サマータイヤからスタッドレスタイヤに履き換えるタイミングでタイヤローテーションすることが大切です。もちろん、スタッドレスタイヤからサマータイヤに履き替えるときも同様に、ローテーションしましょう。
点検のタイミング
12か月点検やメーカーによる点検など、定期点検のタイミングでローテーションしてもらうのもおすすめです。
定期点検時はタイヤを外してブレーキや足回りの状態を確認するので、タイヤを外す必要があります。そのタイミングでローテーションしてもらえば、点検を担当する整備士にタイヤの状態を確認してもらえることに加え、ローテーションが必要かどうかも判断してくれるでしょう。
タイヤローテーションのやり方
タイヤローテンションは、カー用品店やタイヤ専門店で対応してくれますが、自分でおこなうこともできます。ただ、これまでタイヤ交換の経験があっても、どのようにタイヤをローテーションをすればいいのかわからない人も多いでしょう。
ローテーションをおこなうときは、フロントタイヤとリアタイヤの前後を入れ替えるのが一般的。しかし、駆動方式によってタイヤの摩耗の仕方が変わるので、駆動方式ごとに合ったローテーションをおこなうことが大切です。
ここでは、タイヤのローテーションのやり方を駆動方式ごとに解説します。
FF
車の前側にエンジンがついていて前輪が駆動輪となるFF車は、前輪の摩耗が早く進むのが特徴です。タイヤの摩耗具合を確認したうえで、摩耗スピードが早い前輪を後輪と入れ替えるのが効果的だと言えるでしょう。なお、前輪はそのままの位置で後輪へ、後輪は左右の位置を変えてローテンションすることが大切です。
FR
FR車は前側にエンジンがついており、後輪が駆動輪となるので、前輪よりも後輪の摩耗スピードのほうが早いです。
FR車では、遊輪となる前輪を後輪とローテーションするのが一般的ですが、前輪を後側に装着するときは左右を入れ替えるのがポイント。一方、後輪を前側に持ってくるときは左右を入れ替えずにそのまま装着しましょう。
4WD
4WDは4輪すべてが駆動輪となる駆動方式です。4WDのタイヤのローテーションの方法は、FR車と同様に前後のタイヤを入れ替えるのですが、前輪は左右を入れ替えて後輪と入れ替えます。
タイヤのローテーションを自分でするときの注意点
タイヤのローテーション時に誤った装着をすると、正常に走行できなくなる危険があります。ここでは、自分でタイヤのローテーションをするときの注意点を見ていきましょう。
回転方向を確認する
タイヤによっては回転方向が指定されているものがあり、回転方向を無視してタイヤを装着すると走行性能に影響を及ぼしてしまう可能性があります。
タイヤの回転方向が指定されている「方向性タイヤ」の場合、左右を間違えて装着すると、排水性やグリップ力が落ちてしまい、タイヤの性能を正常に発揮できなくなります。さらに、ロードノイズが大きくなったり、振動が増えてしまったりすることも少なくありません。
そのほか、ブレーキをかけてから完全に停車するまでの時間が長くなり、重大なトラブルを引き起こす可能性があります。
方向性タイヤをローテーションするときに誤った方向でローテーションしないためにも、タイヤのサイドウォールに書かれた「ROTATION」と書かれた文字と方向を示す矢印を確認することが大切です。そして、矢印の方向がタイヤの前進方向になるように取り付けましょう。
前後のタイヤサイズに注意する
タイヤのローテーションは前後のタイヤを入れ替えるのが一般的です。しかし、車種によっては前後でタイヤサイズが異なることがあります。
一部の車種では前輪よりも後輪のタイヤサイズ(幅)のほうが大きく、前後でサイズが変わるので、ローテーションをおこなうことができません。前後でタイヤをローテーションするときは、前後のタイヤのサイズが同じかどうかを確認しましょう。
不安ならタイヤ専門店にお願いしよう
タイヤのローテーションをおこなう際、タイヤの回転方向やタイヤ幅などのサイズ、ローテンション位置などを確認しなければならず、誤った方法でタイヤローテンションをおこなうとグリップ力や制動力低下につながるケースがあります。
タイヤのローテーションを自分でおこなうのが不安な場合は、タイヤ専門店に依頼するのがおすすめです。ただし、すべてのタイヤ専門店がタイヤのローテーションに対応しているわけではないので、事前に相談しましょう。
まとめ
タイヤは駆動方式や走行環境によって、摩耗の仕方や進行具合が変わります。そして、そのまま放置していると摩耗が偏ってしまい、寿命が縮まってしまう可能性があります。
定期的にタイヤのローテーションをおこなうことで、摩耗を均一化でき、タイヤの寿命を延ばすことが可能です。また、ローテーションは走行距離が5,000kmくらいになったときや定期点検のタイミングでおこないましょう。
誤った方法でローテーションをすると、グリップ力や制動力が悪くなり、トラブルにつながるリスクが高まることがあるので、自分でタイヤローテーションをおこなうのが不安な場合はタイヤ専門店に相談してみましょう。
※この記事は2023年1月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。