タイヤのインチダウンとは?メリットやデメリット、注意点を紹介
タイヤのインチダウンとは、具体的にどういったものなのかわからない人も多いでしょう。本記事では、インチダウンとはどういったものなのかを解説します。さらに、インチダウンによるメリットやデメリット、注意点なども併せて紹介します。
目次
タイヤのインチダウンとは?
タイヤのインチダウンとは、タイヤの外径を変えずにホイールサイズを小さくすることです。インチダウンするときは、タイヤの外径を変えないことが前提であり、タイヤの偏平率を調整しなければなりません。
インチダウンするときは、タイヤの偏平率を上げることが一般的で、サイドウォール(タイヤの側面)の面積が増え、見た目の印象も変わります。
タイヤのインチダウンの5つのメリット
タイヤのインチダウンをおこなうと、5つのメリットがあります。
- タイヤ交換にかかる費用を抑えられる
- 乗り心地がソフトになる
- 静粛性が高くなる
- 燃費がよくなることがある
- ハンドリングが軽くなることがある
ここでは、これらのメリットを詳しく見ていきましょう。
1.タイヤ交換にかかる費用を抑えられる
タイヤのインチダウンをすると、タイヤ交換にかかる費用を抑えられるでしょう。一般的に、タイヤのサイズに応じてタイヤ本体の価格が代わり、同じ銘柄であってもサイズが小さければ価格を抑えられます。また、タイヤサイズが小さくなることで、タイヤを交換するときに必要な工賃も安く済むことがあります。
インチダウンすれば、タイヤ本体の価格を抑えられるだけでなく、工賃も安くなることがあるので、タイヤ交換にかかるトータルの費用を抑えられるでしょう。
2.乗り心地がソフトになる
タイヤのインチダウンは外径を変えずにホイールサイズを小さくするので、タイヤの偏平率を上げることが一般的です。
タイヤの偏平率が上がると、サイドウォールの面積が増えるので、路面からの衝撃を吸収しやすくなり、乗り心地がソフトになります。
3.静粛性が高くなる
タイヤのインチダウンにより、偏平率が上がるとサイドウォール部分が厚くなり、路面からの衝撃や騒音を吸収するこため、静粛性が高まります。
また、インチダウンをおこなうときは、偏平率を上げるだけでなく、タイヤの幅を狭くすることもあります。タイヤ幅が狭くなれば、路面との接地面積が小さくなるので、ロードノイズを抑えられるでしょう。
4.燃費がよくなることがある
タイヤをインチダウンする際、ホイールサイズを小さくするのと同時に、タイヤの幅も狭くするのが一般的です。ホイールサイズを小さくする分、ホイールの種類によっては重量が軽くなるので、結果的に燃費が良くなる場合があります。
また、タイヤ幅が狭くなると路面との接地面積が小さくなるため、転がり抵抗が小さくなり、燃費が向上するでしょう。
5.ハンドリングが軽くなる
タイヤのインチダウンをおこなうときに、タイヤ幅も併せて狭くするので、接地面積が減り、摩擦抵抗が抑えられます。摩擦抵抗が少なくなることにより、ハンドリングが軽くなり、操作しやすくなるでしょう。
タイヤのインチダウンの3つのデメリット
インチダウンにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
- 見た目が変わる
- コーナリング時の安定性が低くなる
- グリップ力が低下することがある
ここでは、3つのデメリットを詳しく見ていきましょう。
1.見た目が変わる
タイヤのインチダウンをすると、ホイールの面積が狭くなるので、見た目の印象が変わります。また、偏平率が上がることで、車を横から見たときのタイヤの面積が増えるので、スタイリッシュさが薄まってしまう可能性もあります。
ただし、SUVやオフロード車の場合、あえてホイールサイズを小さくすることで、足回りをごつく見せ、迫力のあるパワフルな雰囲気に仕上げることも少なくありません。
2.コーナリング時の安定性が低くなる
タイヤのインチダウンをすると、タイヤの偏平率が上がるので、インチダウンしていないタイヤと比べるとたわみが生じやすくなることがあります。たわみが生じると、コーナリング時の安定性が低くなってしまう恐れがあります。
しかし、インチダウンする前のホイールよりも軽いホイールを装着すれば、足回りの重量を軽量化できるので、ハンドリング操作やコーナリング時の安定性への影響を抑えられるでしょう。
3.グリップ力が低下することがある
タイヤをインチダウンするときは、外径を変えないように、タイヤ幅や偏平率を調整するのが一般的です。ただし、タイヤ幅を狭くすると、路面との接地面積が小さくなり、グリップ力が低下してしまうことがあります。
グリップ力は、タイヤの銘柄によって性能に違いがあるため、グリップ力の高いタイヤの選択肢もあります。グリップ力の低下が気になる人は、タイヤ専門店に相談して、最適なタイヤを提案してもらいましょう。
タイヤをインチダウンするときの3つの注意点
タイヤのインチダウンをするときにはいくつか注意しなければならないことがあります。
- 外径を変えない
- 純正タイヤのロードインデックスと同等以上にする
- 車体との干渉に注意
ここでは、インチダウンするときの3つの注意点を見ていきましょう。
1.外径を変えない
タイヤのインチダウンは、タイヤ幅や偏平率を調整し、外径を変えずにホイールサイズを小さくする方法です。
純正タイヤと異なる外径のタイヤにインチダウンすると、スピードメーターが狂ってしまい、車検に通らない可能性があります。純正タイヤとまったく同じ外径にすることは難しいですが、外径差を-3%~+2%の範囲内に納めることがポイントです。
万一、偏平率を上げて、純正タイヤよりも外径が大きくなると、フェンダー部分に干渉してしまい、タイヤやフェンダーが破損する恐れがあります。そのため、タイヤのインチダウンをおこなうときは、純正タイヤの外径とほとんど変わらない範囲で調整しましょう。
2.純正タイヤのロードインデックスと同等以上にする
ロードインデックスとは、タイヤが支えられる最大負荷能力のことであり、タイヤによって耐えられる重さが異なります。
タイヤをインチダウンするときに、純正タイヤのロードインデックスよりも低いタイヤを装着すると、負荷能力が不足してしまい、タイヤが破損したり、バーストの原因となったりするので、注意が必要です。
また、道路運送車両の保安基準に満たさない可能性があり、車検に通らないケースもあります。
3.車体との干渉に注意
タイヤのインチダウンにより、タイヤとホイールの大きさが変わるため、車体と干渉する可能性があります。たとえば、純正よりも外径が大きいタイヤを装着すると、タイヤハウス(フェンダーの内側)やフェンダーと干渉することがあるでしょう。
走行中に車体が揺れてフェンダーに干渉すると、フェンダー周りが破損するだけでなく、タイヤが傷ついてしまい、パンクやバーストの原因になりかねません。そのため、インチダウンするときは、車体との干渉に注意が必要です。
車種やグレードによってはインチダウンできないことがある
タイヤのインチダウンは外径を変えずにホイールサイズを小さくする方法ですが、すべての車がインチダウンできるわけではありません。
インチダウンによってホイールサイズを小さくすると、車種やグレードによっては、ブレーキキャリパーやドラムブレーキ、電動パーキングシステムなどの部品に干渉してしまいます。
部品に干渉してしまうと、安全に走行できないほか、ブレーキシステムや安全装置が正常に作動しない恐れがあるので、インチダウンしたい車が対応しているかわからないときは、タイヤ専門店に相談することをおすすめします。
まとめ
タイヤをインチダウンすると、タイヤ交換にかかる費用を抑えられたり、静粛性が高くなったりなど、さまざまなメリットがあります。ただし、インチダウンは、外径を変えずにホイールサイズを小さくすることが前提です。万一、外径が変わってしまうと、スピードメーターが狂ったり、車検に通らなかったりする可能性があります。
また、インチダウンするときは、車体との干渉やロードインデックス値にも注意しなければなりません。そのため、インチダウンを検討している人は、タイヤ専門店に相談することをおすすめします。
なお、タイヤ専門店のフジ・コーポレーションでは、専門スタッフが要望をしっかりとヒアリングしたうえで、ぴったりのタイヤをご提案いたします。
※この記事は2023年4月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。