ホイールバランス調整とは?必要な理由とチェックしてもらえる場所を解説
ディーラーやカー用品店、タイヤ専門店などで、タイヤ交換を依頼したときに、「ホイールバランス」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。ただ、ホイールバランスとは、具体的にどういうものなのか、そしてバランス調整はそもそも必要なのかわからない人もいるかもしれません。
本記事では、ホイールバランスとはどういうものなのかに加え、バランス調整が必要な理由を紹介します。さらに、バランスが悪くなる原因や、調整しないとどうなるかについても、併せて解説します。
そのほか、ホイールのバランスを調整してくれる場所も詳しく見ていきましょう。
目次
ホイールバランスとは?
ホイールバランスとは、タイヤとホイールを組み込み、空気を入れた状態での重量のつり合いのことをいいます。
タイヤは、一見真円に見えるので、どの場所も重さが均等だと思われる人もいるかもしれません。しかし、実際は、場所によって微妙に重さが違います。タイヤが回転した際に重さに偏りがあると、振動が発生しハンドルがブレるなど快適性が損なわれたり、タイヤが偏摩耗する可能性があるので、バランスウェイトと呼ばれる「重り」をホイールに取付けることでバランスを調整する必要があります。
ホイールのバランス調整が必要な理由
タイヤを交換するときは、基本的にホイールのバランス調整をおこなうことが一般的です。しかし、そもそもなぜ、ホイールのバランス調整が必要なのでしょうか。
ここでは、ホイールのバランス調整が必要な主に2つの理由を解説します。
タイヤの重さは均一ではないから
タイヤやホイールは真円に見えても、実際は重さが均一ではありません。たとえ、新品のタイヤであっても、重さが均等ではないことから、回転したときの遠心力が均一ではないことがあります。
走行中はタイヤやホイールの中心に重心がくることが重要です。仮に重心が崩れていると、遠心力のかかり方が均一ではなくなり、走行性能に支障をきたす恐れがあります。
安全に走行するためにも、可能な限り、タイヤとホイールの重心が中心にくるように、ホイールのバランスを調整をおこなう必要があります。
タイヤの摩耗が進むと真円ではなくなるから
走行すると、タイヤは摩耗していきます。摩耗が進むと、タイヤの重量バランスが崩れてしまうので、交換時に調整した遠心力の均一性も崩れてしまいます。
とくに、偏摩耗が発生している場合は、極端に崩れている可能性があるので、正常に走行するためにはホイールバランスの再調整が必要となるでしょう。
ホイールのバランスを調整しないとどうなる?
タイヤを交換するときは、ホイールのバランス調整が必要なことは理解できたものの、仮にバランス調整をおこなわなかったら、どうなるのか疑問に思う人もいるでしょう。
ここでは、仮にホイールのバランス調整をしなかった場合、どのようなトラブルが発生するのか詳しく解説します。
ハンドルがブレる
ホイールバランスに偏りがあると、タイヤが回転した際に振動が発生しやすく、タイヤの回転が高速になればなるほど、振動が強くなりハンドルがブレたりします。
走行時のハンドルのブレは、ドライバーにとって不快な症状であることに加え、ハンドルが取られるような感覚になることから、安全に走行できない可能性もあるでしょう。
タイヤの偏摩耗が発生する
ホイールバランスの調整をおこなわなければ、タイヤとホイールの重心が中心にこないので、遠心力の均一性が崩れてしまいます。遠心力が均等でないまま走行すると、タイヤの回転にムラが生じ、偏摩耗が発生するケースも少なくありません。
偏摩耗は、タイヤの寿命を減らす原因になるだけでなく、走行中の振動や騒音の原因となってしまいます。
車体が振動する
ホイールバランスが狂っていると、先述の通り、遠心力も崩れてしまうことから、タイヤの回転にムラができてしまいます。遠心力の均一性が崩れたまま走行すると、車体が振動して、直進安定性が損なわれる可能性も少なくありません。
車体が振動すると、まっすぐ走れなくなってしまって、安全に走行できず事故を引き起こしてしまう可能性もあります。
ホイールのバランスが悪くなる原因とは?
ホイールのバランスが悪くなるのは、「タイヤの摩耗」「バランスウェイトの剥がれ」「ホイールの損傷・変形」が原因と考えられます。ここでは、ホイールバランスが悪くなる3つの原因について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
タイヤの摩耗
タイヤは消耗品であり、走行するとその分摩耗していきます。そのため、新品タイヤに交換する際にバランス調整をしても、タイヤを使用すれば、摩耗によって重さの配分が変わってしまうので、遠心力を均一に保てなくなってしまいます。
基本的には、走行時に大きな問題が発生しない限り、再調整が不要なケースがほとんどです。しかし、偏摩耗が発生したり、走行中にハンドルがブレたりなど、トラブルが発生した場合は、ホイールバランスの再調整を検討することをおすすめします。
バランスウェイトの剥がれ
ホイールバランスを調整するときは、「バランスウェイト」というオモリをホイールに装着します。通常、バランスウェイトをホイールに装着するときは、アルミのホイールであれば両面テープを使って貼り付けるのが一般的です。
一般的な走行環境であれば、バランスウェイトが剥がれる心配はほとんどありませんが、あくまでも両面テープで貼り付けられているだけなので、走行時に発生する振動や遠心力によって、剥がれ落ちるケースも稀にあるでしょう。
もし、バランスウェイトが剥がれ落ちたら、ホイールバランスが崩れてしまうので、再調整が必要となります。
なお、鉄のホイールでは打ち込みタイプのバランスウェイトを使用しますので、剥がれるといった心配はないでしょう。
ホイールの損傷・変形
縁石などの段差にホイールが接触すると、、ホイールが損傷したり、変形したりする可能性があります。ホイールが変形したり、損傷したりすると、重さのバランスが狂ってしまうので、ホイールバランスにも影響してしまいます。
見た目で小さな傷であっても、バランスが崩れてしまう可能性がありますので、ホイールバランスの再調整を検討しましょう。とくに、走行時にハンドルがブレたり、振動が強く発生したりする場合は、早急にディーラーやタイヤ専門店に相談することをおすすめします。
ホイールのバランスはどうやって調整する?
ホイールバランスを測定するには、「ホイールバランサー」という特殊な機械が必要となります。タイヤとホイールを組み込み空気を入れた状態でホイールバランサーに固定し、回転している状態でのバランスを計測します。計測が完了すると必要なウェイトの重量と位置が表示され、必要に応じたバランスウェイトを取付けることで調整が完了します。
ホイールバランサーは、1台あたり数万~数十万円することから、各家庭で用意するのはあまり現実的ではありません。また、ホイールバランサーは機械自体が非常に大きいので、家庭のガレージに設置するのは難しいといえます。
そのため、タイヤ交換を行っている、ディーラーやカー用品店、タイヤ専門店など、タイヤ販売店に依頼することをおすすめします。
ホイールのバランスはどこで調整してもらえる?
ホイールのバランス調整は、タイヤ交換に対応しているお店であれば対応が可能です。
ディーラーやタイヤ専門店など、さまざまなところでホイールのバランス調整に対応していますが、それぞれ特徴が異なります。ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
ディーラー
車を購入したディーラーでもホイールのバランス調整をしてもらえます。ディーラーの場合、タイヤ交換やバランス調整のついでに、タイヤとホイール以外の箇所も併せて点検してくれる場合があります。
ガソリンスタンド
タイヤ交換に対応しているガソリンスタンドであれば、ホイールバランサーを保有しているので、バランス調整に対応しています。給油のついでにホイールのバランス調整について相談できるので、気軽に依頼できるのが特徴です。
カー用品店
カー用品店では、タイヤやホイールの販売もしているので、もちろんホイールのバランス調整にも対応しています。カー用品店であれば、タイヤやホイールの交換に加え、ドライブレコーダーの取付やオイル交換など、ほかの作業も併せて依頼できます。
タイヤ専門店
タイヤ専門店は、タイヤやホイールの販売、交換をメインとしているので、ホイールのバランス調整に対応しています。タイヤやホイールに精通したプロのスタッフがしっかりと対応してくれるので、安心して作業を任せられるでしょう。
なお、当日の調整はほかの人との兼ね合いで、待ち時間が発生する可能性があります。できるだけ事前に予約しておくのがおすすめです。
まとめ
ホイールやタイヤは、一見真円に見えても、重さが均一ではありません。ホイールバランスの確認や調整を行わないまま、車に装着して走行すると、遠心力が崩れた状態であることから、タイヤの回転にムラができてしまいます。
ハンドルがブレたり、振動や偏摩耗が発生したりすることがあります。そのため、走行中に異変を感じたら、すぐにディーラーやタイヤ専門店に相談しましょう。
なお、縁石にホイールが接触したり、ホイールに貼り付けられていたバランスウェイトが剥がれ落ちたりすると、ホイールバランスが崩れてしまうので、そういった場合も専門店に相談することをおすすめします。
※この記事は2023年12月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。