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タイヤサイズ変更時は許容範囲の確認が重要!車検に通る基準を解説

2024.09.30

タイヤを交換する際に、タイヤサイズの変更を検討している人もいるでしょう。タイヤサイズの変更自体は違法ではありませんが、安全に走行するためにはいくつかのルールが設けられており、自由に変更できるわけではありません。

本記事では、タイヤサイズを変更する際の許容範囲やルールについて解説します。さらに、タイヤサイズを変更するメリット・デメリット、そして変更時の注意点についても併せて見ていきましょう。

タイヤサイズの変更とは

タイヤサイズの変更には「インチアップ」「インチダウン」の2種類があります。インチアップとは、タイヤの外径をほとんど変えずに、タイヤの偏平率を下げてホイールの外径を大きくすることです。

一方、インチダウンは、タイヤの外径をほとんど変えずに、タイヤの偏平率を上げてホイールの外径を小さくすることを指します。

インチアップのメリット・デメリット

インチアップすると、見た目が変わるのはもちろん、ハンドルの応答性が良くなり、グリップ力が向上するというメリットがあります。

タイヤのサイドウォール(側面)が薄くなり、ホイールの面積が増えるため、ファッション性も高まります。また、インチアップする際は、タイヤのトレッド面を広くすることが一般的です。その結果、タイヤと路面との接地面積が増えることで、グリップ力が向上します。

ただし、偏平率が低くなるため、路面からの振動が伝わりやすくなり、乗り心地が硬くなるというデメリットがあります。さらに、接地面積が増えることで転がり抵抗が増加し、その結果、燃費が悪化するケースも少なくありません。

インチダウンのメリット・デメリット

タイヤの値段は、同じ銘柄でもサイズが小さい方が安く設定されているのが一般的で、インチダウンすることで価格を抑えられるのがメリットです。また、インチダウンすると偏平率が高くなるため、タイヤのサイドウォール(側面)が厚くなり、路面からの振動やロードノイズを抑える効果も期待できます。

しかし、サイドウォールが厚くなることで、コーナリング時にたわみが生じやすくなり、ハンドリング性能が低下するというデメリットがあります。また、純正ホイールよりもホイールの面積が小さくなるため、見た目が変わってしまうのもデメリットとして考えられます。

タイヤサイズ変更時の許容範囲

タイヤサイズを変更する際は、安全に走行するためにも、許容範囲内で変更する必要があります。サイズ変更自体は違法ではありませんが、許容範囲や基準を超えてタイヤサイズを変更すると、車検に通りません。また、車検に通らない状態で公道を走行すると道路交通法違反になるため注意が必要です。

ここでは、タイヤサイズを変更する際の外径誤差やタイヤ幅、ロードインデックスなどの許容範囲について解説します。

外径誤差の許容範囲は-3%~+2%

タイヤをインチアップするときの外径誤差の許容範囲は、純正サイズの-3%~+2%とされています。ただし、許容範囲内であっても、できるだけタイヤの外径が変わらないように調整することが望ましいです。

というのも、タイヤの外径が変わるとスピードメーターが狂ったり、車体に干渉したりして、安全に運転できなくなる可能性があるからです。

したがって、インチアップする際は、ホイールサイズを大きくしてもタイヤの外径が変わらないように調整しましょう。

インチ変更適合表は以下で紹介していますので、確認してください。

インチアップとは

タイヤ幅の許容範囲は車体のはみ出しが10mm未満

インチアップする際は、トレッド面の幅を広くすることが一般的です。その際、タイヤが車体からはみ出さないように注意する必要があります。

平成29年に保安基準が見直され、乗用車の場合、タイヤの車体からのはみ出しは10mm未満が許容範囲となりました。ただし、この基準はあくまでタイヤに限定されており、ホイールやホイールナットは、改正前と同様にフェンダー内に収まっている必要があります。

なお、車体からのはみ出しが10mm未満でも、車体形状や車高によっては、走行中に段差などで車体が沈んだ際にタイヤとフェンダーが干渉する可能性があるため、注意が必要です。

ロードインデックスの許容範囲は標準と同等以上

タイヤサイズを変更するときは、外径誤差やタイヤ幅のほかに、ロードインデックスにも注意が必要です。

ロードインデックスとは、タイヤが支えることができる最大負荷能力を指します。ロードインデックスによって支えられる負荷能力が異なるため、タイヤサイズを変更する際には、純正と同等以上のロードインデックスを持つタイヤを選ばなければなりません。

仮に、純正タイヤよりもロードインデックスが低いタイヤを装着すると、負荷能力が不足し、タイヤのパンクやバーストの原因となる可能性があります。

なお、ロードインデックスが純正タイヤよりも低い場合は、道路運送車両法の保安基準に違反する可能性があり、車検に通らないケースもあるため注意が必要です。

タイヤとホイールのサイズ表示の見方

タイヤサイズを許容範囲内で変更するには、現状のタイヤとホイールサイズ、ロードインデックスの確認方法などを把握しておく必要があります。

ここでは、タイヤとホイールサイズの表示の見方について紹介します。

タイヤサイズの見方

現在装着しているタイヤのサイズを確認するには、タイヤのサイドウォール(側面)をチェックしましょう。

タイヤのサイドウォールには、「235/50R18 101V」といった数字とアルファベットが刻印されています。この場合、「235」がタイヤの幅、「50」がタイヤの偏平率、「R」がタイヤの構造(ラジアルかどうか)、「101」がロードインデックス、「V」が速度記号を表しています。

「235/50R18 101V」の場合、タイヤの幅が235mm、偏平率が50%、18インチのタイヤということがわかります。そして、ロードインデックスが101なので、負荷能力が825kg*となります。

また、「V」は速度記号であり、そのタイヤで走行できる最高速度を表す記号です。

*ロードインデックスごとに負荷能力が規定されています。

タイヤサイズの詳しい見方については以下で解説しています。

タイヤとは 

ホイールサイズの見方

タイヤサイズを変更する際は、ホイールサイズの見方も知っておきましょう。ホイールサイズは、ホイール本体の刻印や、ホイールの内側に貼り付けられているシールで確認できます。

「15×6 1/2 JJ 5 – 114.3 45」といったように、数字とアルファベットが記載されているのが一般的です。「15」はホイールのインチサイズ、「6 1/2」はリム幅(ホイールの幅)を示しています。

「JJ」はフランジ形状を示しており、ほとんどの国産車は「J」または「JJ」が採用されています。また、「5」はボルトの穴数です。軽自動車やコンパクトカーは4穴、乗用車は5穴、SUVや大型車は6穴であることが多いです。

「114.3」はP.C.D.を表しており、ボルト穴の中心点を結んで描かれる円の直径を示しています。一般的には「114.3」が主流ですが、国産車でも車種によっては「100」や「120」の場合もあります。

最後の「45」はインセットを示しており、ホイールの中心面と取り付け面との距離を表しています。

ホイールサイズの見方については以下で詳しく解説しています。

タイヤのホイールサイズの見方|各名称も詳しく解説

タイヤサイズの変更後は空気圧に注意!

タイヤサイズを変更すると、適正空気圧が変わることがあります。車の取扱説明書や空気圧ラベルに記載されている適正空気圧は、あくまで純正のタイヤサイズに対する数値です。

そのため、タイヤサイズを変更したときは、空気圧に注意しなければなりません。

タイヤには、スタンダード(STD)規格品に加えて、エクストラロード(XL)やレインフォースド(RFD)規格があります。純正タイヤはスタンダード規格品であることが一般的です。

インチアップなどでタイヤサイズを変更する際、エクストラロードやレインフォースド規格のタイヤを装着するケースも少なくありません。その場合、同じタイヤサイズであっても、ロードインデックスに違いがあり、適正空気圧も異なることがあります。

したがって、タイヤサイズを変更するときは、タイヤの規格と適正空気圧を確認することが大切です。

タイヤサイズの変更が許容範囲内かどうかはタイヤ専門店に相談!

インチアップやインチダウンなどでタイヤサイズを変更する際は、外径誤差やタイヤ幅、ロードインデックスなどの許容範囲を確認することが重要です。

許容範囲を超えたサイズのタイヤを装着すると、車検に通らないだけでなく、安全に走行できなくなるリスクもあります。そのため、必ず許容範囲内のタイヤを選択する必要があります。

とはいえ、どのタイヤが許容範囲内か判断できない人も多いでしょう。特に、外径誤差やロードインデックスの計算や見方は難しいため、安全な走行のためにはプロに相談するのが賢明です。

タイヤ専門店のフジ・コーポレーションには、経験豊富なスタッフが在籍しており、予算や要望に応じた最適なタイヤをご提案いたします。また、インターネットを利用して、自分の好きなタイミングで希望のタイヤを見つけられるのも魅力です。

タイヤサイズの変更を検討している人は、ぜひフジ・コーポレーションにお問い合わせください。

※この記事は2024年9月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。

※車検の合否については車検検査員の判断によります。