軽自動車のタイヤはどうやって選ぶ?選び方のポイントや交換時期を解説
軽自動車は普通車よりも車体やタイヤが小さく、タイヤの選び方に違いがあります。さらに、いつ軽自動車のタイヤを交換するべきか、交換費用を抑える方法を知りたい方もいるでしょう。
本記事では、軽自動車のタイヤの特徴やタイヤ選びのポイントに加え、軽自動車のタイヤの交換時期を解説します。さらに、タイヤ交換を依頼するおすすめの場所も併せて見ていきましょう。
目次
軽自動車のタイヤの特徴
軽自動車は普通車よりも、車体だけでなくタイヤのサイズも小さいので、普通車と比べるとタイヤが摩耗しにくく、寿命が長いと思われている人もいるでしょう。しかし、軽自動車のタイヤは普通車よりもタイヤのインチが小さく、同じ距離を走行したとすると、タイヤの回転数が多くなるので、普通車よりも寿命が短くなる可能性があります。
さらに、軽自動車は普通車よりも、小回りが利くので、据え切りの回数が増えて、走り方によっては偏摩耗をおこしてしまう可能性があります。
軽自動車にはタイプがある
ひとえに軽自動車といっても、セダン系、ハイトワゴン系、スーパーハイトワゴン系、ワンボックス系、SUV系など、さまざまなジャンルがあります。
ここでは、それぞれどのような特徴があるのか、具体的な車種を例に詳しく見ていきましょう。
セダン系軽自動車
セダン系軽自動車は、軽自動車の中でも全高が低くて立体駐車場に入れるのが特徴です。価格帯も他の軽自動車よりも抑えられており、購入しやすいのも魅力でしょう。
セダン系軽自動車の代表的な車種として挙げられるのは、ダイハツ・ミライースやスズキ・アルトです。両車は日常やレジャー使いに加え、商用車としても幅広く使用されています。
ハイトワゴン系軽自動車
ハイトワゴン系軽自動車は、トールワゴン系軽自動車とも呼ばれることがあり、セダン系軽自動車よりも全高が高いのが特徴です。全高が高く設計されていることで、室内が広く感じ、軽自動車でもゆったりとした空間が魅力といえるでしょう。
ハイトワゴン系軽自動車には、さまざまな車種がありますが、代表的なのは三菱・ekワゴンや日産・デイズです。いずれも全高が1,600mmを超えており、セダン系軽自動車よりも居室空間が広いのが特徴です。
スーパーハイトワゴン系軽自動車
スーパーハイトワゴン系軽自動車は、ハイトールワゴン系軽自動車と呼ぶこともあり、代表車種として挙げられるのは、ダイハツ・タントやホンダ・N-BOXです。スーパーハイトワゴン系軽自動車は、日産・デイズなどのハイトワゴン系軽自動車よりも全高が100mm以上も高く、スライドドアが付いているのが一般的です。
車内空間が非常に広くて、スライドドアが付いていることから、ファミリー層から人気があります。
ワンボックス系軽自動車
ワンボックス系軽自動車は、スズキ・エブリイワゴンやダイハツ・アトレーワゴンなどが代表的な車種であり、スーパーハイトワゴン系軽自動車よりも荷物をたくさん積めるのが魅力的です。日常使いとしてはもちろん、エブリイやハイゼットカーゴのように商用車としても使用されるケースが多く、街中でもよく見かけるでしょう。
SUV系軽自動車
SUV系軽自動車は、車高が高く、タイヤサイズが大きいのが特徴です。SUV系軽自動車の代表車種は、スズキ・ジムニーやハスラーが挙げられます。車高が高いのでオフロード走行にも向いており、一般ユースだけでなく、趣味用の車としても人気があります。
【タイプ別】軽自動車の一般的なタイヤサイズ
軽自動車のタイヤを選ぶときは、それぞれのジャンルに適したタイヤを選ぶことが大切です。ここでは、それぞれのジャンルの代表的な車種とタイヤサイズを紹介します。
セダン系軽自動車のタイヤサイズ
セダン系軽自動車のタイヤサイズとして、ダイハツ・ミライースを例に見ていきましょう。
ダイハツ・ミライースは、グレードによってタイヤサイズが異なります。上級グレードのGは「155/65R14」であるのに対し、スタンダードグレードのLは「155/70R13」であり、タイヤのインチサイズが一回り小さくなっています。
グレード | 型式 | タイヤサイズ |
G “SA III” 2WD | 5BA-LA350S | 155/65R14 |
L “SA III” 2WD | 5BA-LA350S | 155/70R13 |
ハイトワゴン系軽自動車のタイヤサイズ
次に、ハイトワゴン系軽自動車として、日産・デイズを例にタイヤサイズを見ていきましょう。
日産・デイズはグレードによってタイヤサイズが異なり、Xは「155/65R14」で14インチのタイヤが装着されています。一方、ハイウェイスターGターボのタイヤサイズは「165/55R15」であり、Xよりもタイヤの幅やインチが大きいタイヤが標準装備となっています。
グレード | 型式 | タイヤサイズ |
X | 5BA-B43W | 155/65R14 |
ハイウェイスターGターボ | 4AA-B45W | 165/55R15 |
スーパーハイトワゴン系の軽自動車のタイヤサイズ
ホンダ・N-BOXを例にスーパーハイトワゴン系軽自動車のタイヤサイズを見ていきましょう。
ホンダ・N-BOXも、他の車種と同様にグレードによってタイヤサイズが変わります。スタンダードグレードのLのタイヤサイズは「155/65R14」であるのに対し、Custom Lターボは「165/55R15」となっています。
グレード | 型式 | タイヤサイズ |
L | 6BA-JF3 | 155/65R14 |
Custom Lターボ | 6BA-JF3 | 165/55R15 |
ワンボックス系の軽自動車のタイヤサイズ
次に、スズキ・エブリイワゴンを参考に、ワンボックス系軽自動車のタイヤサイズを見ていきましょう。
スズキ・エブリイワゴンでは、さまざまなグレードや駆動方式、トランスミッションが展開されており、グレードによってタイヤの大きさが異なります。PZターボスペシャルが「165/60R14」であり、JPターボが「155/70R13」となっています。
グレード | 型式 | タイヤサイズ |
PZターボスペシャル | 3BA-DA17W | 165/60R14 |
JPターボ | 3BA-DA17W | 155/70R13 |
SUV系の軽自動車のタイヤサイズ
SUV系軽自動車の代表例としてスズキ・ジムニーのタイヤサイズを見ていきましょう。
スズキ・ジムニーは、グレードによるタイヤサイズの違いはありません。すべてのグレードのタイヤサイズが同じであり、「175/80R16」となっています。
他の軽自動車と比べると、比較的大きなタイヤが装着されているのが特徴です。
グレード | 型式 | タイヤサイズ |
XC | 3BA-JB64W | 175/80R16 |
XG | 3BA-JB64W | 175/80R16 |
軽自動車のタイヤの交換時期は?
軽自動車のタイヤの交換時期は、タイヤの残溝や状態、使用年数から見分けられます。ここでは、タイヤの交換時期を見分ける方法を詳しく紹介します。
残溝4mm以下になったら交換
タイヤメーカーによると、タイヤの溝が残り4mm以下になると性能が低下してしまい、走行性能に影響を及ぼす可能性があるとされています。特に、タイヤと路面の間から水を除去する排水性、ブレーキの効きにかかわる制動力が低下すると考えられており、安全性に影響することから、残溝4mm以下が交換時期の目安となります。
なお、スタッドレスタイヤの場合、新品時から50%摩耗したタイミングが交換時期の目安です。
使用年数が5年以上経過したら交換
残溝にかかわらず、使用年数が5年以上経過したタイミングで点検してもらいましょう。
タイヤはゴム製品なので、経年によって劣化します。時間が経つと、タイヤの表面にある油が揮発*して、柔軟性が失われます。タイヤに柔軟性がなくなると、路面をしっかりと捉えられなくなります。その結果、ブレーキがききにくくなったり、ハンドリングが重くなったりなど、安全に走行できなくなる可能性が考えられるでしょう。
ただし、タイヤの状態によっては5年が経過していなくても交換が必要な場合があるので、あくまで目安とし、定期的に確認して違和感があれば点検してもらうようにしてください。
*液体が気化すること
ひび割れや偏摩耗が発生したら交換
タイヤのトレッド面にひび割れや偏摩耗が生じていると、安全に走行できなくなる可能性が高くなるので、タイヤの交換を検討しましょう。
さらに、ひび割れの状態によっては、タイヤ内部のワイヤーが切れている可能性があり、バーストの原因となるので、早急な対応が必要です。
軽自動車のタイヤ選びのポイント
軽自動車は普通車よりもタイヤが小さいので、同じ距離を走行すると、普通車よりもタイヤの回転数が多くなります。そのため、走り方によっては、軽自動車のほうがタイヤの寿命が短い場合があり、タイヤ交換の頻度が多くなるケースも少なくありません。
とはいえ、軽自動車のタイヤを交換するときに、どのようなタイヤを選べばいいのかわからない人もいるでしょう。ここでは、軽自動車のタイヤ選びのポイントを詳しく見ていきましょう。
軽自動車に適したタイヤを選ぶ
軽自動車は普通車よりも車体が軽いので、タイヤへの負担が少ないと考えられています。タイヤへの負担が少ないことから、その分タイヤの寿命が長いと思われている人もいるでしょう。
しかし、タイヤサイズが小さい軽自動車は、タイヤの回転数が多くなるので、使用環境によっては普通車よりも寿命が短くなることも少なくありません。
また一般的なセダンサイズの車と比較すると、走行時に振動する箇所が異なります。セダンサイズの車ではショルダー部分、軽自動車はベルト部分が全体的に振動するので、軽自動車は走行時の振動を感じやすく、ロードノイズが気になることもあります。
そこで、軽自動車用に開発されたタイヤを選ぶのもおすすめです。軽自動車に適したロングライフ設計の専用タイヤや静粛性に優れた専用タイヤを選べば、摩耗やロードノイズなど軽自動車のデメリットをカバーできるでしょう。
軽自動車のタイヤサイズに合ったタイヤを選ぶ
ひとえに軽自動車といっても、ジャンルや車種、グレードによってタイヤサイズが異なります。そのため、自分が所有している軽自動車に合うタイヤサイズのタイヤを選ぶ必要があります。
一般的には、メーカー公式ホームページ、取扱説明書のほか、タイヤのサイドウォール、空気圧ラベルなどでタイヤサイズを確認できます。
求める性能に合うタイヤを選ぶ
タイヤメーカーや銘柄によって、タイヤの特徴や性能が異なります。そのため、どのような性能を求めるかを検討したうえで、最適なタイヤを選びましょう。
たとえば、摩耗が気になっており、寿命が長いタイヤが欲しい人はロングライフのタイヤを選んだり、ロードノイズや走行中の振動が気になる人は静粛性の高いタイヤを選んだりするとよいでしょう。
また、タイヤを交換して燃費を良くしたい人は低燃費タイヤがおすすめです。タイヤには、さまざまな種類があるので希望や目的に合わせてタイヤを選ぶとよいでしょう。
軽自動車のタイヤはどこで交換する?
軽自動車のタイヤを交換するにあたり、どこで交換すればいいか悩んでいる人もいるでしょう。さらに、今まではディーラーで交換していたものの、タイヤ交換の費用が高いので、費用を抑えて交換できる場所を知りたい人もいるでしょう。
ここでは、軽自動車のタイヤを交換できる場所や、それぞれの特徴を紹介します。
ディーラー
ディーラーは、車種に合ったタイヤを提案してくれるのが特徴です。新車時に装着されていたタイヤと同じものに交換できたり、タイヤ以外の点検も併せておこなってくれたりします。
ただし、タイヤ代と交換工賃が高いのもディーラーの特徴といえるでしょう。さらに、タイヤ交換を専門におこなっているわけではないので、車検や点検などの目的で入庫している車が多いときは、作業に時間がかかったり、当日の交換に対応してもらえなかったりするケースもあります。
そのほか、社外ホイールの取付やインチアップにも対応していないことが一般的なので、純正タイヤとは違うタイヤやホイールを装着したい人は、ディーラー以外を検討しましょう。
カー用品店
カー用品店は、取り扱っているタイヤメーカーや銘柄が多いので、希望のタイヤを見つけられる可能性があります。さらに、タイヤだけでなく、ドライブレコーダーやETCなどのパーツの取付も併せて依頼できるのが特徴です。
ただし、入庫状況によっては、作業が混んでいるときがあり、待ち時間が長いことも珍しくありません。さらに、土日祝などの休日は、予約が取れない場合もあり、タイヤを購入した当日に交換してもらえない可能性があります。そのため、スムーズに対応してもらうためにも事前に予約しておくとよいでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでは、給油サービスのほかに、タイヤの交換にも対応しています。給油のついでにタイヤ交換を依頼したり、車検なども併せて依頼できたりします。
また、ガソリンスタンドによっては、独自のキャンペーンを用意しており、タイヤを交換すると給油サービスを受けられるケースもあるでしょう。ただし、ガソリンスタンドはタイヤ交換を専門に扱っているわけではないので、種類や在庫が少なく、希望のタイヤを選べないことも珍しくありません。
豊富な種類から、希望にあったタイヤを選びたい人はカー用品店やタイヤ専門店に相談するのがおすすめです。
タイヤ専門店
タイヤ専門店は、タイヤの専門知識があるスタッフが在籍していて、希望や要望に合った適切なタイヤを提案してくれます。また、さまざまな銘柄のタイヤを用意しており、在庫数も多いことから、ピットが空いていれば当日の交換にも対応してもらえるのが魅力的です。
ただし、スタッドレスタイヤとサマータイヤとの交換が集中するシーズンになると、作業が混みあうことから、事前に予約しているほうがスムーズに対応してもらえるでしょう。
なお、社外ホイールへの交換やインチアップ、インチダウンの相談にも乗ってくれるので、見た目の印象を変えたい人や、走行性能を向上させたい人にぴったりの交換場所です。
ディーラーよりもタイヤ本体の価格が安いので、交換費用を抑えられます。一方で扱っているタイヤのメーカーや種類が多いので、どれを選べばよいのか悩む人もいるでしょう。タイヤ専門店のフジ・コーポレーションでは、タイヤの専門知識を持ったスタッフがしっかりと対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
軽自動車のタイヤは普通車よりも小さいので、同じ走行距離であれば、普通車よりもタイヤの回転数が多くなります。そのため、走り方や走行環境によっては、普通車よりも寿命が短くなってしまうことも少なくありません。
タイヤメーカーでは、軽自動車向けのタイヤや軽自動車を対象にしたタイヤを展開しています。目的に合ったタイヤを選ぶことで、より安全で快適なドライブを楽しめるでしょう。
さらに、タイヤ交換の費用を抑えたい方は、ディーラーよりもタイヤ専門店に依頼するのがおすすめです。タイヤ専門店では、数多くのメーカーや銘柄のタイヤを揃えており、専門スタッフがぴったりのタイヤを提案してくれます。
※この記事は2023年7月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。