CATEGORYカテゴリー

タイヤ

タイヤに窒素ガスを入れるメリットは?必要なケースや充填できる場所を紹介!

2024.02.29

タイヤを交換するときや、空気圧を調整するときなどに、「窒素ガス充填」を提案された経験がある人もいるでしょう。ただ、タイヤに窒素ガスを入れることで、どのようなメリットがあるのか理解しておらず、本当に必要なのか疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、タイヤに窒素ガスを入れる理由やメリットを詳しく解説します。さらに、窒素ガス充填ができる場所についても併せて紹介します。

記事の後半では、窒素ガス充填に関するよくある質問も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

タイヤに窒素を入れるのはなぜ?

A gray plastic TPMS-safe nitrogen valve cap on an alluminum stem/alloy wheel

もともと、航空機やレースカーのタイヤには窒素ガスを充填するのが一般的でした。

速度域が高いレースカーや、高負荷がかかる航空機の場合、タイヤが高温になり、発火などのリスクが高まります。しかし、不活性ガスである窒素を充填することで、発火などのトラブルを防げることから、高負荷がかかるシーンではタイヤに窒素を充填するのが一般的となったのです。

では、乗用車のタイヤには窒素ガスを入れたほうがいいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

タイヤに窒素ガスを入れたほうがいい?

空気中の約78%が窒素、約21%が酸素、そして約1%がアルゴンや二酸化炭素であり、窒素が占める割合が多いことがわかります。

通常通りに空気を入れても、窒素の割合が多いことから、窒素ガス充填をする必要がないと思われるかもしれません。また、仮に窒素ガスを入れたとしても、定期的な補充が必要になることから、通常通りに空気を入れればよいと考える人もいるでしょう。

しかし、窒素ガス充填にはさまざまなメリットがあることから、昨今は窒素ガスが注目されつつあります。

窒素ガスは不活性ガスであることから、分子の動きが遅く、透過係数*が小さくなります。透過係数が小さいということは、それだけ窒素の流動量が少ないということであり、タイヤから空気が抜けにくいということになるのです。

そのため、昨今は、レースカーや航空機のみならず、一般車両にも窒素ガス充填をおこなうことが増えています。

*気体が物質をどれだけ通り抜けるかを示した値

タイヤに窒素を充填するメリット

photograph of a bust of a woman in blue work uniform making the OK sign

タイヤに窒素を入れるメリットは、「燃費がよくなる」「タイヤ・ホイールの劣化を抑制できる」「タイヤの空気圧低下を抑えられる」「バーストの予防ができる」「ロードノイズを低減できる」などが挙げられます。

ここでは、それぞれの具体的な内容について、詳しく見ていきましょう。

燃費がよくなる

タイヤの空気圧が低下すると、タイヤがたわんでしまい、路面との接地面積が増えてしまうことから、転がり抵抗が増えて燃費が悪くなります。

タイヤに高純度の窒素を入れることで、タイヤの空気圧の低下を抑えることができ、適切な空気圧を維持したまま走行できます。適切な空気圧が維持されることで、安定した走行が可能となり、燃費がよくなるのです。

タイヤ・ホイールの劣化を抑制できる

通常の方法で空気を入れると、高純度窒素ガスを充填するよりも、酸素の割合が多いことから、水分と化学反応が起き、タイヤ内部の金属製ワイヤーやホイールが錆びてしまうことがあります。

しかし、窒素ガスの場合、金属を酸化させないので、高純度の窒素ガスを充填すれば、タイヤやホイールの劣化を抑制でき、結果的に寿命を延ばすことが可能です。

タイヤの空気圧低下を抑えられる

タイヤ内部の空気がタイヤのゴム分子の隙間を通り抜けることで、空気圧が低下してしまいます。空気中に含まれる酸素は、ゴム分子の隙間を通り抜けやすく、タイヤの空気圧低下の主な原因ともいえるでしょう。

しかし、不活性ガスである窒素は酸素よりも分子の動きが遅いので、ゴム分子の隙間を通り抜けにくいといった特徴があります。そのため、高純度の窒素ガスを充填し、タイヤ内部の空気に含まれる酸素の割合を可能な限り小さくすることで、結果的に空気圧の低下を抑制することが可能です。

バーストの予防ができる

窒素は不活性ガスであることから、化学反応や燃焼することが少ないのが特徴です。温度変化にも耐性があるので、タイヤ内部の圧力変化が少なく、タイヤに負担がかかりやすい高速走行を長時間おこなっても、バーストしにくいでしょう。

ロードノイズを低減できる

窒素ガスは、酸素や二酸化炭素が含まれる通常の空気よりも音の伝導率が低いと言われています。高純度窒素ガスが充填されたタイヤを装着することで、ロードノイズを低減することが可能です。

どのような場合にタイヤに窒素ガスを入れればいい?

Metallic question marks illuminated by blue and pink lights on blue and pink background. Horizontal composition with copy space.

タイヤに窒素ガスを入れることで、さまざまなメリットがあることは理解できたものの、わざわざ窒素ガスを入れるべきかわからないという人もいるでしょう。

ここでは、どのような場合に窒素ガスを入れればよいのか、解説します。

高速道路を走行する機会が多い

高速道路走行時は、一般道路を走行するよりも速度域が高いことから、タイヤに負荷がかかりやすくなります。とくに、高速道路を長時間走行すると、熱が蓄えられて、タイヤ内部の圧力変化が生じてしまうのです。

しかし、不活性ガスである窒素を充填することで、高負荷がかかる高速道路であっても、タイヤ内部の圧力変化が少なく、安全な走行ができるでしょう。そのため、高速道路を走行する機会が多い人は、窒素ガスを充填することをおすすめします。

寒暖差のある季節に運転する機会がある

窒素は温度変化の耐性があるので、寒暖差が激しいところを運転する機会がある人は、窒素ガスを充填することをおすすめします。

車を走らせると、タイヤ内部が走行時の負荷によって温められ、温度変化が生じます。通常の空気の場合、温度が変わることで、タイヤ内部の圧力が変化し、バーストが引き起こされるケースがあるのです。

しかし、不活性ガスである窒素であれば、温度耐性があり、圧力変化が少ない性質があるので、窒素ガス充填は気温差が激しいエリアを走行する機会がある人に向いているといえるでしょう。また、寒い地域に住んでいなくても、スキーなどのレジャー目的で、寒暖差が激しい地域に行く場合は、窒素ガスの充填をおすすめします。

メンテナンスの時間が取れない場合

窒素ガスを充填したタイヤの場合、通常の方法で空気を充填したときよりも空気が抜けにくいので、空気圧チェックなどのメンテナンスの頻度を減らすことが可能です。そのため、頻繁にメンテナンスの時間が取れない人は、窒素ガスを入れたほうがよいでしょう。

ただ、窒素ガスを充填しているからといって、まったくメンテナンスしなくてもよいというわけではありません。車を安全に走らせるためにも、空気圧やタイヤの溝、サイドウォール(側面)などを定期的に確認する必要はあります。

サーキット走行する機会がある

窒素ガスは航空機やレースカーなど、タイヤに負荷がかかるシチュエーションで使われていた背景があります。タイヤに高負荷がかかるサーキット走行では、窒素ガスの充填は必須といえるでしょう。

タイヤに窒素ガスを充填するならタイヤ専門店がおすすめ!

Mechanic changing car wheel in auto service using pneumatic wrench

タイヤに窒素ガスを入れたいと思うものの、どこで対応してもらえるのかわからない人もいるでしょう。タイヤに窒素ガスを充填するなら、タイヤ専門店がおすすめです。

一部のディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなど、タイヤ専門店以外でも窒素ガスを入れられるところはありますが、窒素ガスを入れるときは、いかに純度の高い窒素を充填できるかがポイントとなります。

タイヤ専門店であるフジ・コーポレーションでは、窒素ガスの出し入れを3回繰り返し、窒素の割合を100%に近づけていく方法を採用しています。この方法により、タイヤ内部の窒素の割合を確実に高められるので、窒素ガスのメリットを最大限に引き出すことが可能です。

タイヤの窒素ガス充填に関するよくある質問

Q&A

タイヤの窒素ガスのメリットや効果について理解はできたものの、まだ窒素ガスを入れるかどうか悩んでいる人もいるでしょう。ここでは、タイヤの窒素ガス充填に関するよくある質問を紹介しつつ、それらの質問の回答について詳しく解説していきます。

タイヤに窒素ガスを充填するタイミングは?

タイヤに窒素ガスを充填するひとつのタイミングとして挙げられるのは、タイヤを交換するときです。タイヤを交換するときは、適切な空気圧に調整するのですが、素のタイミングで通常の空気ではなく、窒素ガスを充填してもらうようにしましょう。

もしくは、定期的なタイヤ点検のタイミングで、空気圧調整をしてもらうときに、窒素ガスを入れてもらうのもおすすめです。

どれくらいの頻度でタイヤに窒素ガスを充填すればいい?

窒素ガスを充填することで、通常の空気よりも空気圧の低下を抑えられるものの、定期的に空気圧チェックすることは大切です。タイヤに窒素ガスを充填する頻度については、具体的な期間の目安はありません。

ただ、定期的に空気圧を点検し、減少が確認できたタイミングで、適正空気圧になるように充填するのがよいでしょう。

タイヤの窒素ガスは定期的に補充しなければならない?

窒素ガスは、タイヤから抜けにくい性質があるもの、まったく抜けないわけではありません。そのため、定期的に点検をおこない補充することが大切です。

なお、窒素ガスを充填する際に、併せてタイヤのトレッド面やサイドウォール(側面)の状態を確認しましょう。

タイヤの窒素ガスはどこで入れられる?

タイヤの窒素ガスは、ガソリンスタンドやカー用品店、タイヤ専門店で充填することが可能です。ただし、いかに純度の高い窒素ガスを充填できるかがポイントになるので、窒素ガスによる効果を最大限に発揮させるのであれば、高純度の窒素ガス充填に対応したタイヤ専門店に依頼するのがよいでしょう。

フジ・コーポレーションでは、窒素ガスの出し入れを3回繰り返す方法を採用しており、高純度の窒素ガス充填に対応しています。
窒素ガス充填のススメ|フジ・コーポレーション

窒素ガスを充填したタイヤの空気圧を調整したいときはどうすればいい?

窒素ガスを充填したタイヤの空気圧を調整したいときは、窒素ガス充填に対応した業者に依頼することをおすすめします。

もちろん、窒素ガスを充填したからといって、窒素ガス充填に対応していない店では空気圧の調整ができないというわけではありません。しかし、窒素ガス充填に対応していないところで、空気圧を調整してもらうと、通常の空気が充填されるので窒素の純度が薄くなってしまいます。タイヤ内部の窒素割合が変わってしまうことから、窒素ガスによるメリットを最大限に引き出せなくなってしまう可能性があるのです。

そのため、窒素ガスによる恩恵を受けるためにも、高純度の窒素ガス充填に対応したタイヤ専門店などに調整してもらうのがよいでしょう。

まとめ

ガソリンスタンドやタイヤ専門店などで空気圧を調整してもらうときに、窒素ガス充填を提案されることがあります。窒素ガスは、通常の空気よりもタイヤから抜けにくかったり、タイヤ内部の圧力変化が少なくなるといった性質があることから、空気圧低下やバーストするリスクを抑えることが可能です。

そのほか、ロードノイズを低減できたり、ホイールの劣化を抑制できたりするメリットもあります。ただ、窒素ガスによるメリットを最大限に引き出すには、いかに高純度の窒素ガスを充填できるかがポイントです。

窒素ガスが気になる方は、高純度の窒素ガス充填に対応しているタイヤ専門店に相談しましょう。

※この記事は2024年1月現在の情報を基に作成しています。
今後変更されることもありますので、ご留意ください。